『第69回日本テレビ盃』(JpnⅡ、ダート1800メートル)が28日、船橋競馬場で行われる。昨年の覇者サルサディオーネ、3歳王者ノットゥルノのほか、JBCクラシックを制したミューチャリーなど、秋の大一番を占う一戦に多士済々な顔ぶれがそろった。
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【見解】ジャパンダートダービーを優勝したノットゥルノを信頼する。着差はわずかながら能力を感じさせる走りで、古馬が相手でも引けを取らない。サルサディオーネは実力健在で、今年もチャンスがある。海外遠征で経験を積んだクラウンプライドの走りにも注目だ。
◆ノットゥルノ
世代の頂点からダート界の頂点へ──。ノットゥルノはジャパンダートダービー(JpnⅠ)で待望の初タイトルを獲得。好位追走から4コーナーで先頭に並びかける横綱相撲で、惜敗続きの鬱憤を晴らした。生野賢㆒調教助手は「大きく変わりはないが、帰厩後も順調にきていて、調子自体はいいと思う。今回の条件も特に問題ないでしょう」と話す。不良馬場のジャパンダートダービーを制したフリオーソ、サクセスブロッケン、ノンコノユメの3頭はいずれも古馬GⅠ(JpnⅠ)を勝利しており、本馬にも大きな期待がかかる。主戦の武豊騎手は凱旋門賞のため不在だが、秋の大㆒番へ向けて弾みをつけたい㆒戦だ。
◆サルサディオーネ
連覇が懸かるサルサディオーネにも注目だ。けれん味のない逃げが持ち味で、牡馬混合のJpnⅡで2勝。キャリアの全13勝を左回りで挙げているように、典型的なサウスポーだ。JBCレディスクラシック(JpnⅠ)を見据えた盛岡遠征も難なくクリアし、「道中は自分のペースで逃げて、手応えも十分。いいレースができた」と矢野貴之騎手も納得の表情。衰え知らずの8歳牝馬が、今回も牡馬勢を翻弄するか。
◆クラウンプライド
クラウンプライドはUAEダービー(GⅡ)を制し、ケンタッキーダービー(米GⅠ)へ挑戦した。国内の重賞は初挑戦となるが、1800メートルは2勝を挙げた得意距離。海外での経験を糧に新たなスタートを切る。「前走後はしっかり休ませた。体の張りもあるし、だいぶ良くなってきた。ここまで順調にきていて、メンタル面も以前よりどっしりした感じがある。今後のために賞金を加算したい」と新谷功㆒調教師。
◆ペイシャエス
ユニコーンS(GⅢ)を制したペイシャエス。400メートルの距離延長となったジャパンダートダービーは¾馬身差の2着に敗れたが「うまく対応してくれた。前走も踏まえると1800メートルはベストに思える」と小西㆒男調教師。「9月22日は田辺裕信騎手(実戦は菅原明良騎手)に追ってもらって感触も良かったし、いい感じできている。53キロで出られるのは大きい。何とか逆転できれば」と好感触を得ている。
◆ミューチャリー
昨年のJBCクラシック(JpnⅠ)を制したミューチャリー。前走の大井記念は最下位に敗れたが、大きく馬体を減らしていたのが響いた。「もう少し乗り込みたいところですが、徐々に良くなっているしカイバも食べています。地元1800メートルはいいので、底力に期待したいと思います」と森久保仁志調教師補佐。立ち直っていれば勝機がある。
◆フルデプスリーダー
フルデプスリーダーの勢いも侮れない。連勝でエルムS(GⅢ)を制し、夏の北海道で急成長を果たした。斎藤誠調教師は「JBC(クラシック)は2000メートルだから考えていないので、ここに全力投球。距離は延びるけどコーナー4つなのであまり変わらないし、右回り、左回りも関係ないと思う。何より今は調子がいい。前走で出遅れたけど、中間のゲート練習では問題ない」と期待を寄せる。
◆フィールドセンス
JRA5勝の実績を誇るフィールドセンス。南関東転入初戦のプラチナCで3着に食い込むと、続くスパーキングサマーCで重賞初制覇を果たし、南関トップクラスの力を示した。広い船橋コースなら、持ち前の末脚を存分に生かせるはず。JRA勢が相手でも好勝負になる。
◆ギガキング
マーキュリーC(JpnⅢ)では高速決着に対応できず5着のギガキングだが、走り慣れた地元の馬場に戻れば違うはず。1800メートルは6戦4連対と相性が良く、展開次第で上位に食い込める。