『第68回平和賞』(SⅢ、ダート1600メートル)が26日、船橋競馬場で行われる。全日本2歳優駿の勝ち馬や翌春の南関東クラシック覇者を輩出している伝統の2歳重賞で、どの馬が勝つのかはもちろん、優勝馬の今後にも注目のレースだ。
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【見解】マジデの前走は道中で少し置かれたが、船橋コースも2度目なら集中力が持続するはず。スピード㆒辺倒ではないのも魅力で、引き続き好勝負になる。ホッカイドウから参戦のグロリオサ、プルタオルネも素質は高い。
◆マジデ
新馬戦こそ2着に敗れたマジデだが、続く2戦を連勝。特に前走のアローセプテンバー・メモリアルは、初コースながら抜群の末脚で差し切り、南関2歳での力上位を示した。加藤誠㆒調教師は「キャリアを積みながら、パフォーマンスは向上している。線が細い馬なので当日の馬体重が鍵になると思う。あとは集中力が続くかどうかだね」と話す。道中で少しもたつく面はあるが、スピード馬がそろうこの時期の2歳戦だけに、差す競馬ができるのは強調材料。前走で船橋コースを経験したのも大きく、ここも持ち味を発揮できれば好勝負になる。
◆グロリオサ
ホッカイドウから参戦するグロリオサ。新馬戦こそ4着に敗れたものの、その後は連勝。サッポロクラシックCはこの馬と同じ角川秀樹厩舎の2頭が先行して馬体を併せる形になり、直線で突き放されたが、向こう正面から息長く脚を使った内容は悪くなかった。出走取り消し明けで長距離輸送もあるだけに、当日の気配が最優先だが、2歳世代で上位の実力があることは証明済みで、距離にもめどが立っている。〝アウェー〟の南関東でも高い能力を示すに違いない。
◆プルタオルネ
プルタオルネ(ホッカイドウ)はゆったり追走して末脚を伸ばすタイプで、初の1800メートルだった2走前の特別戦で0秒3差の3着に食い込むなど、1周する競馬が合っている印象だ。クローバー賞9着、盛岡の知床賞を取り消すなど手を出しづらい近況だが、地元の本橋孝太騎手の手綱は心強く、船橋なら持ち味を発揮できるはず。初めての左回りをこなせば勝機がある。
◆サベージ
サベージはデビューから3戦オール連対。2走前は2着に敗れたが、のちにゴールドジュニアを勝ったリベイクフルシティにクビ差まで迫る好内容で、地力の高さを示している。「少しモタれる面はあるけど、すごくいい切れ味を持っています。輸送が鍵になりますが、船橋の1600㍍は合うと思うし、期待して乗ります」と矢野貴之騎手。初コースでも軽くは扱えない。
◆メイクアストーリー
休み明けに加えて初距離のメイクアストーリーだが、のちに鎌倉記念を勝ったヒーローコールを2着に負かした前走を見れば、世代トップクラスの力がある。差す競馬ができる強みもあり、当日の気配次第で好勝負になる。
◆ハーモニーロワ
ハーモニーロワの前走は休み明けだったが、他馬を問題にしない走りで6馬身差の圧勝。勝ち時計も優秀で、重賞でも素質は見劣りしない。自分のリズムで走れれば上位に食い込める。
◆スーパーファルコン
Jデビューからの2戦をともに逃げ切ったスーパーファルコン。今回は初のマイル戦だが、母の父がホワイトマズルなら克服の下地は十分で、重賞でも軽くは扱えない。