JRA競馬学校騎手課程44期生。前列左から池添陽さん、笠原曉子さん、楠原颯馬さん、角祈凛さん。後列左から德満蔵真さん、長谷川真之介さん、八束太陽さん、横井源一郎さん。松浦大志さんは欠席=7月28日、JRA競馬学校(酒井真大撮影) 競馬学校騎手課程44期生(9人)の厩舎実習が18日から美浦、栗東トレーニングセンターで始まる。期間は約1年間。昨年4月に騎手課程生として入学し、この1年で騎手になるための技術や基礎的な馬学などを習得してきた。これからの1年は、トレセンで現役の競走馬にまたがって追い切りをこなし、競馬開催日には所属厩舎の調教師や調教助手と一緒について学ぶことになる。住み慣れた学校から新たに研修先のトレセンへ。期待と不安が交錯していそうな44期生の現在の心境を聞いた。
池添陽(いけぞえ・ひなた)さん(17)=栗東・松下武士厩舎=は滋賀県出身。「やっと競走馬に乗れるという楽しみな気持ちと、ミスが許されないという緊張感があります。1鞍1鞍を大切にして、勝つだけでなく、調教からレースまでしっかりと馬を仕上げて、関わるスタッフの方々と喜びを分かちあえる信頼の厚い騎手になりたい。松山弘平騎手が目標です」と祖父・兼雄元調教師のまな弟子を目標にして、志を高く持つ。
笠原曉子(かさはら・きょうこ)さん(17)=美浦・奥村武厩舎=は新潟県出身。「楽しみな気持ちもありますが、緊張もしています。自己管理をしっかりしていきたい。騎乗技術とともに、馬に携わる方々の仕事や、現役ジョッキーの仕事も学びたいです。ひと鞍ひと鞍大切に乗って、国内で活躍するジョッキーになり、レイチェル・キング騎手のような海外でも活躍できるトップジョッキーになりたいです」と決意を新たにする。
楠原颯馬(くすはら・そうま)さん(19)=栗東・四位洋文厩舎=は岡山県出身。「ほとんど競走馬に乗ったことがないのでうまく乗れるか不安ですが、新しい経験ができると思うので、今まで以上に技術の向上に努めたい。競走馬の繊細さや力強さを知り、折り合いの付け方や脚のため方を学びたいです。ひと鞍ひと鞍を大切にし、責任を持って信頼される騎手になりたいです」と気を引き締める。目標にしているのはルメール騎手だという。
角祈凛(すみ・きりん)さん(17)=栗東・牧田和弥厩舎=は、福井県出身。「まだ技術面や人間としても未熟な点が多いので不安が大きいですが、楽しみもあります。現役ジョッキーを間近で見られるので、馬の制御方法や追い方など、馬を良くする技術を学びたい。性別の差を超えてトップジョッキーになりたいです。ルメール騎手が憧れです」と希望に胸を膨らませる。
徳満蔵真(とくみつ・くらま)さん(16)=美浦・田中勝春厩舎=は山梨県出身。「現役の競走馬の調教に関われるのはすごく楽しみですが、しっかりと乗れるか不安もあります。いろいろな方の意見や乗り方、抑え方を見て、学んで自分のものにしたい。馬をよく感じて、それを言語化して調教から馬を作って、また乗せたいと思われるような一流ジョッキーになりたいです」と着地点は明確だ。
長谷川真之介(はせがわ・しんのすけ)さん(17)=栗東・藤岡健一厩舎=は京都府出身。「多くのことにチャレンジできるワクワク感と調教で迷惑をかけてしまわないか不安な気持ちがあります。騎乗技術だけでなく、いち社会人として成長できるように人間力を磨きたい。天皇賞・春を勝てるジョッキーになりたいです」と地元京都で行われる伝統のGⅠレース制覇に思いをはせる。
松浦太志(まつうら・たいし)さん(16)=美浦・浅利英明厩舎=は福島県出身。「少し不安な気持ちもありますが、より競馬に近づけると思うと楽しみです。まずは現役競走馬を知って慣れたいです。そのうえでタイム感覚や自分のフォームなどを見つけて、ものにしたい。競馬関係者から信頼され、長く第一線で活躍できる武豊騎手のようになりたいです」と明確な目標を口にする。
八束太陽(やつづか・たいよう)さん(20)=美浦・小野次郎厩舎=は埼玉県出身。「少し不安もありますが、この1年間で騎手になる(という目標に)大きく近づくので頑張りたいです。コミュニケーション力をつけて、レースに向けた実戦的な乗り方ができるようになりたい。将来的には松山弘平騎手のようにGⅠを勝ってたくさんの方から信頼されるジョッキーになりたいです」とやる気満々だ。
横井源一郎(よこい・げんいちろう)さん(17)=栗東・新谷功一厩舎=は滋賀県出身。「今の自分の実力がどれだけ通用するのかすごく楽しみ。本場の競走馬やレースを学びたいです。騎乗する際の(自分自身の)引き出しの多さを作って体幹もしっかりも鍛えたい。ルメール騎手や、モレイラ騎手、人柄を含めると坂井瑠星騎手のようなジョッキーになりたいです」と目標に向けて何事にも貪欲に取り組む構えだ。
生活スタイルも訓練内容もある程度管理されていた学校から飛び出して、トレセンでは全ての面で自己管理が必要になってくる。しかし、トレセン実習でなければ経験できないことも数多くある。たくさんのことを吸収して、ジョッキーになるためのスキルを身につけてもらいたい。今の時代、頑張れとはいわない。騎手になるために、いっぱい身につけてこいよ、44期生!(東京サンケイスポーツ・片岡良典)