マスクトディーヴァ(左)が直線で抜け出す。圧巻のレコードで重賞初制覇だ(撮影・河田一成) (ローズステークス、2023年9月17日 15:35、GII、阪神11R、芝・右外1800m)
岩田望来(23)=栗・フリー=騎乗で、7番人気のマスクトディーヴァ(栗・辻野)が中団から鋭く差し切って重賞初制覇。JRAレコードとなる1分43秒0で駆け抜けた。2着ブレイディヴェーグ、3着マラキナイアまでが秋華賞(10月15日、京都、GⅠ、芝2000メートル)の優先出走権を獲得した。
電光掲示板に「レコード」の赤い文字が表示されると、場内がどよめいた。マスクトディーヴァが差し切って、重賞初勝利。岩田望騎手が笑顔で振り返った。
「少し抜け出すのが早いかなと思いましたが、反応が良かったです。抜け出して遊ぶ余力もありました」
1000メートル通過が57秒3のハイペース。道中は中団で脚をためた。直線を向いて追い出されると、アッという間にライバルを置き去りに。勝ち時計1分43秒0は、2021年にエスコーラが小倉で作った記録を0秒8塗り替えるJRAレコードで「驚きましたが、芝でいい時計が出ていましたし、重賞級の馬たちならこれくらいは出ます」と冷静に受け止めた。
次は最後の1冠で2冠女王リバティアイランドに挑む。辻野調教師は「一つ一つ課題をクリアしてきました。胸を借りる立場ですし、今の状態でどこまでやれるか」と大一番を楽しみにする。前哨戦を制した豪脚を武器に、淀へ駒を進める。(丸橋正宣)
■マスクトディーヴァ 父ルーラーシップ、母マスクオフ、母の父ディープインパクト。黒鹿毛の牝3歳。栗東・辻野泰之厩舎所属。北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース。戦績4戦3勝。獲得賞金6741万8000円。重賞は初勝利。ローズSは岩田望来騎手、辻野泰之調教師ともに初勝利。馬名は「仮面の歌姫」。