青森競輪『第39回共同通信社杯』で9年ぶりのビッグレース制覇を成し遂げた深谷知広 青森競輪の『第39回共同通信社杯』(GⅡ)は最終日の9月18日、11Rで決勝が行われ、深谷知広(33)=静岡・96期=が大会初Vを飾り、優勝賞金2790万円(副賞含む)を獲得した。GⅡ制覇は2014年8月のサマーナイトフェスティバル以来で通算4度目(10年ヤンググランプリを含む)。2着地元の新山響平、3着には隅田洋介が入った。
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まだまだやれる。GⅠ優勝2回の実績ある深谷が、練習仲間と息の合った走りを披露。9年ぶりにビッグレースで頂点に立った。
「すごくうれしいです。(渡辺)雄太の力は分かっているし、うまく力を発揮できればチャンスはあると思っていました」
渡辺が打鐘から果敢に攻めると地元のS班・新山がすかさず巻き返した。「新山君はすごい勢いだったので対処できなかったけど、後ろは止めないと、と思いました」。嘉永を全身でブロックして渡辺を援護し2センターから踏み込み突き抜けると、大会初制覇を祝うファンからの大歓声にガッツポーズで応えた。
「もう9年もたっているんですね。今朝、新聞を見て知りました。最近はいい練習ができているので、力が付いてきたと思います」
デビュー前から注目を集めた。史上最速のS級特別昇級(デビューから56日)を決め、2011年6月の高松宮記念杯では史上最速でGⅠ初優勝(デビューから684日)を飾るなど、競輪界の歴史に名を刻んできた。自転車競技との二刀流で活躍し、ビッグレースでは何度も決勝まで勝ち上がった。14年のサマーナイトフェスティバルを最後にビッグ制覇から遠ざかっていたが、その期間にあったさまざまな出来事が自身の技術などをさらに高めるきっかけになったという。
「年下が多く、その責任感があります。それに番手を回る機会が増え、併走の練習もするようになって成長できたかなと思います」
21年1月に愛知から静岡支部へと移籍した。環境が変わり、さらなるステップアップを遂げたことを強調する。
「ここが最終目標ではないし、力とテクニックをもっと付けたいですね。そして静岡と南関を盛り上げていけるように頑張ります」
まだ33歳。頼れる後輩やSSの郡司浩平らと力を合わせ、南関旋風を巻き起こす。(仲野谷有紀)