3頭併せの真ん中から豪快に最先着したソングライン。GⅠ連勝、安田記念連覇へ、視界は良好だ(撮影・塩浦孝明) (安田記念、2023年6月4日 15:40、GI、東京11R、芝・左1600m)
春のマイル王決定戦・安田記念の追い切りが31日、東西トレセンで行われた。美浦ではヴィクトリアマイルを勝ったソングラインが3頭併せで豪快に最先着。調教評価『S』の動きで、グレード制導入後3頭目の安田記念連覇に向け、さらに上昇気配をみせた。栗東では大阪杯勝ちのジャックドールが武豊騎手を背にCWコースで鋭い走りだった。
〝攻め〟の姿勢で、いざ連勝、連覇へ-。ヴィクトリアマイルを制したソングラインが美浦Wコースで圧巻の動きを披露。中2週でも大幅な上積みすら感じさせる快走に、戸崎騎手も納得の表情を浮かべた。
「間隔はないのですが、ヴィクトリアマイルよりも動きは良くなっていますね。状態面が上がってきている雰囲気は出ています」
分厚い雲に覆われた午前9時49分。ダートコースで体をほぐしたのち、Wコースを駆け出した。3頭縦列の2番手で手応え十分に追走。直線入り口で並びかけると、ゴール前で戸崎騎手の仕掛けに鋭く反応し、ラスト1ハロン11秒3(5ハロン67秒3)と極上の切れ味を披露した。内パライバトルマリン(2勝)を1馬身、外ヴァンナチュール(未勝利)を3馬身突き放し、サンスポ調教評価は文句なしの『S』評価だ。
前走のヴィクトリアマイルは林調教師が「一歩踏み込んだ調教をした」と語るハード追いで勝利を手にした。そこから中2週。今回はさらにもう一歩踏み込む構えだ。
「去年はヴィクトリアマイル(5着)から安田記念に向けて、さらに状態を上げていこうと取り組んだ。今回も幸い前走後のダメージがさほどなかったので、何とか一段上げられないか、ということにチャレンジしています」
その言葉通り、前走からわずか10日後に坂路で乗り込みを再開すると、25日には戸崎騎手がまたがりWコース5ハロン68秒0-11秒2の好時計。さらに28日にもWコース5ハロン70秒6-12秒1と極限まで負荷をかけている。
これまでヴィクトリアマイル勝ちから安田記念の臨戦では2020年アーモンドアイ、21年グランアレグリアが2着と涙をのんだ。名牝も阻まれた鬼門ローテを攻略できるのは、これほどの猛調教をこなせるタフネスウーマンだけだろう。〝攻め〟の姿勢で、1993年ヤマニンゼファー、09年ウオッカ以来、グレード制導入後3頭目の連覇を果たす。