レッドモンレーヴが芝コースで抜群の切れ味を披露。自慢の末脚はGⅠでも通用しそうだ(撮影・塩浦孝明) (安田記念、2023年6月4日 15:40、GI、東京11R、芝・左1600m)
安田記念の『俺のチェックポイント』は3日目。東京サンスポの板津雄志記者が、京王杯SCで重賞初制覇を飾ったレッドモンレーヴに注目した。前走で見せた上がり3ハロン32秒6の決め手はGⅠ級。最終追い切りの動きを確認し、中2週で再度その豪脚を発揮できるムードにあるのかを探った。
レッドモンレーヴに迫りたい。前走の京王杯SCは、自己最速の上がり3ハロン32秒6の末脚で差し切り。重賞初制覇ながら、GⅠを意識できるパフォーマンスだった。それから中2週で体調は維持できているのか。動きも含めて確かめた。
最終追い切りは美浦芝コースの3頭併せ。僚馬2頭を前に見ながら進み、残り4ハロンから徐々に加速していく。外を回りながらも余裕の手応えで直線へ向くと、馬なりのままラスト1ハロン11秒2(5ハロン65秒0)をマークし、中ピエフォール(未勝利)と併入。内メリディアンローグ(障害未勝利)に半馬身先着した。
「無理のない感じで気持ち良く走れていた。精神的に落ち着いている感じもいい。芝だから時計は出やすいけど、思ったよりも出ているんだな」
動きを見守った蛯名正調教師がうなずいた。4歳でもキャリアはまだ9戦。「無理使いをしていないし、前走後も特にダメージはない」と中2週でも余力をもってGⅠに向かえるのは何より。中2週以下【2・1・0・0】と実績があるのも心強い。
藤沢和元調教師からモンレーヴを引き継いだときは1勝クラスを勝った直後だったが、「この馬でGⅠに行ければと思っていた」と蛯名正師。高い素質を感じ取っていたからこそ、ゆっくり休ませてから使い出し、安田記念を目指してきた。
2走前のダービー卿CTこそ出遅れが影響して7着とつまずいたが、当時マークした上がり3ハロン33秒0はモーリス(次走で安田記念V)と並んでレース史上最速。「少し気持ちに繊細な面はあるけど、ためれば脚を使える馬。瞬発力はいいものをもっている」。トレーナーの言葉は前走の豪脚Vで証明された。
「とにかく東京コースがいい。伸び伸び走れている。相手は半端なく強いけどね。どれだけやれるか」
GⅠ馬10頭など豪華メンバーに入れば実績で見劣るが、強烈な決め手はここでも大きな魅力。戴冠のチャンスは十分にあるとみている。