ショウナンバシットは厩舎周りで運動する。中間のフォーム改善が大一番で実を結ぶか(撮影・岩川晋也) 日本ダービーの「俺のチェックポイント」4日目は、大阪サンスポの丸橋正宣記者が皐月賞5着ショウナンバシットに注目した。追い切りでの走り方がよくなった印象を受けたことから、陣営を直撃。皐月賞後の在厩調整を利用して、フォームの改善に着手していたことがわかった。その効果とは―。この日、枠順が発表され、❸枠⑥番に決まった。
昨年10月に紙面デビューしてから、初めてのダービーウイーク。ひのき舞台に立つ18頭はどれも目移りしてしまうが、ショウナンバシットに注目した。
理由は追い切りでの動き。皐月賞前までは首の使い方がぎこちなく、体を使いこなせていないまま走っていた印象だったが、24日の栗東CWコースでは印象が一変。首をうまく使って、体を大きく動かして走っていた。フォームがよくなった理由は? 担当の榎本助手が秘密を教えてくれた。
「皐月賞から在厩調整だったので、いろいろやってみようと思い、坂路でフォームの改善に取り組みました。乗りやすくなって、人間の指示を聞く余裕が持てるようになりましたね」
坂路はCWコースなどと違って傾斜があって「馬にとってしんどい環境」(榎本助手)だ。そこできれいな姿勢で走ることを意識付けたことで、走り方がよくなったという。「悔いの残らないように、細かい調整をしてきました。体に大きな変化はないですが、無駄にハミに反抗するところがなくなりましたね」と成果を話す。レースで燃えやすい気性で、今回の400メートルの距離延長は不安材料だったが、折り合い面の課題をクリアしつつあるようならば、前進を見込んでもいい。
25日に発表された枠順は❸枠⑥番。北村助手は「1コーナーまで短いコースなので、ここならいいポジションを取れると思います。極端な外枠じゃなくて良かった」と笑顔。脚をためながら、ロスなく運べそうだ。
皐月賞は後方から長くいい脚を使って5着。世代上位の一角であることは証明済みだ。大一番に向けて改良したフォームを引っ提げて、大逆転での戴冠を虎視眈々と狙っている。(丸橋正宣)