4歳初戦に向け順調な仕上がりを見せるスターズオンアース。ルメール騎手の手応えもバッチリだ 大阪杯の追い切りが29日、東西トレセンで行われた。美浦では昨年のJRA賞最優秀3歳牝馬スターズオンアースが、クリストフ・ルメール騎手(43)=栗・フリー=を背にWコースの3頭併せで最先着。休み明けの不安は感じさせず、調教評価は『S』となった。
◇
ドバイを制した名手が、2冠牝馬の復権を高らかに宣言した。昨年の桜花賞、オークスを制してJRA賞最優秀3歳牝馬に輝いたスターズオンアースがWコースで絶品の動きを披露し、調教評価は文句なしの『S』。美浦トレセンへ凱旋(がいせん)して手綱を取ったルメール騎手は、勝利へ絶大な自信を抱いた。
「すごくいい感じでした。反応もフットワークも良く、心身ともに充実しています。彼女の能力は高いので、勝つことができると思います」
心地よい朝晴れの下、ダートコースで入念に体をほぐしたのち、Wコースへ登場。3頭縦列の最後方で人馬のリズムを合わせると、直線では追うことなく雄大なフットワークでグングン加速。6ハロン82秒2-11秒7をマークし、中ステラダイヤ(2勝)を1馬身、外サルサロッサ(1勝)を2馬身突き放した。
昨秋の秋華賞で3着に敗れて牝馬3冠を逃した後は、左前肢の繋靱帯に若干の炎症が出るアクシデントで休養。今回は約5カ月半ぶりの復帰戦となる。状態を不安視する声もあるが、高柳瑞調教師は「牧場でしっかり治してから立ち上げていきましたし、調整過程に問題はありません」と一蹴。加えて、「馬体も大きくなりましたし、背も高くなっています」と4歳を迎えてさらなる成長を実感している。
鞍上は3月に入り毎週重賞勝ちを果たし、25日にはドバイでも躍動。デルマソトガケでUAEダービーを制すると、イクイノックスに騎乗したドバイシーマクラシックではあっと驚く逃げの手に出て衝撃のレコードV。「すごくいい1日でしたね。デルマソトガケのパフォーマンスもすごかったですし、イクイノックスもレース前から勝つ自信はありましたけど、信じられない結果でしたね」と絶好調だ。
勢いそのままに、国内外で2週連続のGⅠ取りへ-。堂々と仁川へ乗り込む名手が、2冠牝馬に1等星の輝きをもたらしてみせる。(綿越亮介)