今週4月1日、中山競馬場でダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ、芝1600メートル)が行われる。過去10年で1番人気馬は1勝のみ(2015年モーリス)と苦戦気味。昨年は11、12番人気馬のワンツーで3連単55万馬券が飛び出すなど、ハンデGⅢらしい波乱も警戒したい。
マイル路線の新星レッドモンレーヴ(美浦・蛯名正義厩舎、牡4歳)が重賞取りに挑む。前走・節分Sは好位からメンバー中最速となる上がり3ハロン33秒1の鋭脚を発揮し、1馬身半差をつけて快勝。キャリア7戦で4勝、2着2回と底を見せずにオープンまで駆け上がってきた。祖母は名牝エアグルーヴと血統的な魅力も大きい。22日の1週前追い切りは美浦Wコースで6ハロン80秒6―11秒7の好時計をマークして僚馬に併入した。ハンデは56キロ。「よく動けているし、前回よりも感じはいい。重賞でメンバーが強くなるけど、コース替わりなど条件的には問題ない」と、蛯名正義調教師は開業2年目での重賞初制覇を狙う。
ジャスティンカフェ(栗東・安田翔伍厩舎、牡5歳)は昨秋、強敵ぞろいの毎日王冠で2着に好走し、GⅠ初挑戦だったマイルCSではスムーズさを欠きながら0秒4差6着。いつ重賞タイトルに手が届いても不思議はない存在だ。前走・東京新聞杯は1番人気で4着に終わったが、スローペースの中メンバー最速の上がり3ハロン33秒3で0秒1差まで猛追。実力の一端を示した。24日は栗東坂路4ハロン50秒3―12秒3を馬なりでマークして1馬身半先着と絶好の動きを披露。「今回はこれまでとは違ったレースをして、どういった反応を見せるか試したいです。幅が広がれば」と安田翔伍調教師。初めて背負うハンデ58キロと初の中山への対応がポイントになりそうだ。
ゾンニッヒ(栗東・池江泰寿厩舎、牡5歳)=56キロ=は関西馬ながら中山で【2・2・0・0】と抜群のコース適性を見せている。昇級初戦の前走・東風Sもスローペースで前が残る展開の中、鋭い末脚で2着まで突っ込んできた。同厩で5歳時に一気にブレークした父ラブリーデイと同様、今年は重賞戦線をにぎわせる存在になりそうだ。「前走後はダメージもなく、すぐにここを目標にすることができました。あの内容なら重賞でも」と池江泰寿調教師は期待する。
タイムトゥヘヴン(美浦・戸田博文厩舎、牡5歳)は昨年、11番人気ながら強烈な直線一気でVを決めた。前走・夕刊フジ賞オーシャンSは初の1200メートルとあって7着に終わったが、上がり3ハロン33秒1はメンバー中トップだった。今回は昨年より3キロ重い58キロがポイントだが、持ち前の末脚は健在で、実績を残す舞台に変わる今回は要注意だ。
ミスニューヨーク(栗東・杉山晴紀厩舎、牝6歳)はターコイズSで連覇を飾り、京成杯AHでも0秒1差4着と中山マイルには絶対の自信を誇る。前走・京都牝馬Sは9着だったが、デビュー戦以来の1400メートルがこたえたか。牡馬相手にハンデ56キロは楽ではないが、道悪も得意なだけに、ひと雨あれば一気に浮上してくる。
スカーフェイス(栗東・中竹和也厩舎、牡7歳)=57キロ=は転厩初戦の大阪城Sを鮮やかに突き抜けた。直線に急坂のあるコースを得意としており、当地でも中山金杯で2着と好走している。久々のマイルに対応できれば面白い存在になりそうだ。
昨年のNHKマイルC2着馬マテンロウオリオン(栗東・昆貢厩舎、牡4歳)=58キロ、2走前に同舞台のニューイヤーSを逃げ切ったウイングレイテスト(美浦・畠山吉宏厩舎、牡6歳)=57キロ、昨年の京成杯AHを制したファルコニア(栗東・高野友和厩舎、牡6歳)もトップハンデ58・5キロを克服なら上位争いになっていい。