ダートコースは雨が降って道悪になると、いわゆる脚抜きがいい状態になるため、スピードも出やすく、乾いている時よりタイムも速くなる。こうなると、前に行った馬がバテづらく、逃げ・先行馬が有利になるというのが一般的な見解なのだが、実はそうでもない。
道悪のダートで良馬場より速いタイムで走れるのは、後ろから追走する馬も同じだからだ。「ダートは常に芝より先行有利」になる理由は、芝よりもスピードが出にくいために、後ろから追走する馬の上がり3ハロンも芝ほど速くならないから、芝より前の馬に追いつきにくくなる。このメカニズムにより、「ダートは芝より先行有利」というロジックが成り立っている。しかし、ダートが道悪になると、逃げ・先行馬の脚も良馬場の時ほど鈍らないが、同時にそれを後ろから捕まえにいく馬たちもより速いスピードが出る。つまり、速い上がりタイムが出やすくなる。そうなれば後ろから追走する馬が、逃げ・先行馬との時間も短縮される、限られた距離の中で追いつくチャンスも広がる。こうして、乾いた良馬場の時よりも差し・追い込みが効きやすくなるというわけだ。
また、ダートが道悪になると、キックバック(前の馬が蹴り上げる砂)も砂というより泥に変るので、それを受けた時のダメージも大きくなる。そうなると、できるだけキックバックを受けたくないという騎手たちの意識が、縦長の隊列でハイペースの展開を作り上げ、それも相まって、差し・追い込みがより利きやすくなるケースが多い。先週の中山を例に取れば、一日中雨が降り続いた不良馬場だった土曜日は、ダート5鞍中、いわゆる前残りになったのはひと鞍だけで、他の4鞍は3コーナー6番手以下の馬が頻繁に馬券に絡んでいた。
天気予報が外れなければ、今週は3場とも雨の影響を大きく受けそうだ。特にダートは水が浮くような道悪になる可能性も高い。そうなれば、速い上がりタイムを出せる能力が強みになり、「ダートは先行有利」というセオリーは通用しない。逃げ・先行馬より差し・追い込み馬に重きを置いて、高配当をゲットしたい。
中京2R②ブラックポイント
新馬戦3着時の勝ち馬は、その後GⅠ朝日杯FSで3着と好走したレイベリングだった。上がり3ハロン34秒1もメンバー3位と、芝でも高い能力は示した馬だ。父は芝・ダート兼用型のリオンディーズ。初戦のレースぶりや血統からも、ダートならスピードが出やすい道悪の方がより真価を発揮できるタイプだろう。
《単勝》②
《馬連》②-①③⑦⑧⑩⑫⑭⑮
《3連複》フォーメーション②-①③⑧⑩-①③⑦⑧⑩⑫⑭⑮
中山2R⑫キョウエイカンフ
今までは東京で2戦して、タイム的にも高いレベルで上がり3ハロン1位、2位。速い上がりを使う能力に関しては、今の未勝利でもトップクラスといえる。前走はペースが遅くて序盤から掛かっていただけに、よりペースが速くなる中山ダ1200メートルの方がスムーズに運びやすいのではないか。ここは組み合わせにも恵まれた感がある。
《単勝》⑫
《馬連》⑫-③④⑤⑦⑨⑮⑯
《3連単》⑨⑫→③④⑤⑦⑮⑯マルチ、④⑫→③⑤⑦⑨⑮⑯マルチ
中山3R③ブライテストドーン
今回と同じ中山ダ1800メートルで3戦したが、自身の走破タイムが一番速かった初戦の着順(稍重で2着)が一番良かった。この事実からも、乾いた良馬場より脚抜きがいい道悪の方が向いているはずだ。ブリンカー装着してパフォーマンスを上げる馬が多いマインドユアビスケッツ産駒。初ブリンカーのここで狙うべき馬だ。
《単勝》③
《馬連》③-⑤⑥⑩⑫⑬⑭⑮
《ワイド》③-⑭⑮
《3連単》③⑮→⑤⑥⑩⑫⑬⑭マルチ、③⑭→⑤⑥⑩⑫⑬⑮マルチ
中山7R①フレーゲル
2、3歳時は1600メートル以上を中心使われ、金沢の地方交流で初勝利をあげたものの1勝クラスで長らく停滞していた馬だ。それが休養、再転厩をきっかけに短距離に矛先を向けてから上位争いに加われるようになり、本来の実力を発揮し始めた。今回は休養明けで秋以来になるが、その間に1勝クラスのレベルは明らかに低下。近5走中4走でメンバー2位以内の上がり3ハロンも駆使しており、差しに回っての決め手はこの組み合わせなら一、二の存在だろう。
《単勝》①
《馬連》①-②④⑤⑥⑨⑪⑬⑭
《3連複》フォーメーション①-⑤⑪⑭-②④⑤⑥⑨⑪⑬⑭