海外メディアに取材を受ける福永祐一新調教師=現地時間21日朝、メイダン競馬場 【ドバイ21日=内海裕介】25日の国際諸競走に参加する日本馬がメイダン競馬場で調整を行い、1日に騎手から転身したばかりの福永祐一調教師(46)=栗=も参加した。ドバイシーマクラシックの連覇を目指すシャフリヤール、ドバイワールドカップに挑むヴェラアズールにまたがり、万全の態勢づくりにひと役買って出た。
異国の空の下、技術調教師としての仕事がスタートした。夜明け前の暗闇のなか、ダートコースをキャンターで流したシャフリヤールの馬上には、一昨年の日本ダービー制覇時のパートナーである福永調教師の姿が。続けてデビュー当初に手綱を取ったヴェラアズールにも騎乗。若手騎手さながらに汗びっしょりで引き揚げてきた。
「いいね。シャフリヤールは海外遠征も慣れているし、いい状態で持っていける。ヴェラアズールは来た当初はナーバスな面を見せていたけど、日に日に慣れてきて、きょうが一番感じは良かった」
先週の火曜日にドバイ入りし、翌日から調教に参加。両馬とも管理する立場にはないが、GⅠに向かう仕上げの最終プロセスを、来年3月予定の開業前に身をもって体験できるチャンスに飛びついた。「もともと国際レースは好き。1日1日で変化していく馬に、どう合わせて調教するか考えて、それに応えて変わってくれるのがうれしい。(自分の)これからの仕事はこれになるんだし、研修も兼ねていい経験になっています」と調教師としての醍醐味(だいごみ)を改めて実感。レース当日まで精いっぱいのサポートを続ける。