美浦で新規開業した上原佑紀調教師。4日の中山で初出走を果たす(撮影・塩浦孝明) 今年のJRA新規開業調教師は東西4人。その先陣を切って美浦の上原佑紀調教師(33)が4日土曜の中山8Rで初出走を果たす。
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美浦で新規開業した上原佑調教師は、新たな門出を迎え「しっかり準備してきました。いい意味で常識にとらわれず、どんどん新しいことにチャレンジしたいです」と決意を口にした。
父はGⅠ5勝馬ダイワメジャーを管理した上原博調教師。日大在学中は馬術部で活躍する傍ら、獣医学も学んだ。調教助手を経て、2021年12月に調教師試験に合格。技術調教師の期間中は、GⅠ6勝のバーイードを手がけた英国のW・ハガス厩舎で研修を積み、「自分の型にはめるのではなく、馬に合った調教をしていた。人にも馬にもフェアで雰囲気も良く、まさに理想のリーダー」と感銘を受けた。
記念すべきデビュー週は土曜中山8R(1勝、芝1600メートル)にテールデトワールを送り込む。「仕上がりもいいし、楽しみ。最初からチャンスがあるので、しっかり結果を出したい」と意気込んだ。「大変だろうけど、若いから対応力もある。自分の力を精いっぱい出してもらえれば」と優しいまなざしを向ける父の背中を追いかけて、まずは初勝利を目指す。
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小栗実調教師(36)=栗=は技術調教師時代に、師匠である鈴木孝厩舎を含め5厩舎を経験。様々な厩舎から吸収し、独自色を打ち出す。黒と青の厩舎服を身にまとった小栗調教師は「やっとか、という思いです。楽しみと不安とどちらもありますが、楽しみの方が大きい。いろいろなことを実践して、うちしかないという色を出していきたいですね」と話した。管理馬のデビューは来週以降となる。
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緒方努調教師(44)=栗=は、松田国元調教師など3厩舎で助手を務めた。「ようやく目指したものになれました。でも、ここがスタートライン。調教師になったからにはリーディングを目指したいですね」と意気込んだ。11日阪神・3歳未勝利(ダ1200メートル)のコーリンラズベリーが初戦になる予定だ。
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西園翔太調教師(32)=栗=は昨年に免許を取得してから、矢作、松永幹、中村の各調教師、そして父・正調教師のもとで修行した。「(それぞれの調教師の)考え方はそれぞれ違いますが、いいなと思ったところを自分なりに整理してやっていきたい。少しでもいい成績を残せるように、これからは試行錯誤していきます」と気を引き締めた。今週の出走はなく、来週11日阪神・3歳未勝利(ダ1400メートル)のプロスペリダードで初陣を予定している。