ドライスタウトは雪の影響で重たくなった馬場でもパワフルな動きを披露した 今年のJRA・GⅠ開幕戦となるフェブラリーSの追い切りが15日、東西トレセンで行われた。雪に見舞われた栗東では、ドライスタウトが坂路での併せ馬で反応良くしまいを伸ばして先着。調教評価は最高の『S』で、GⅠ初出走勝利に向けて気配は上々だ。
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氷点下1度まで冷え込んだ銀世界の栗東坂路を、ドライスタウトが活気十分に駆け上がった。2週連続で手綱を取った戸崎騎手が納得の表情を浮かべる。
「先週しっかりやっているので、今回は調整程度で。反応が良くなって、ピリッとした感じがありました。いい追い切りができました」
ハッピースワニー(3勝)を前に見る形で序盤はゆったりとしたリズムで折り合う。重たくなった馬場を苦にせずに徐々にペースを上げると、鞍上の軽いゴーサインにスッと反応して1馬身先着。全体時計は4ハロン54秒1-12秒8と地味だが、余力十分でパワフルなフットワークも好印象で調教評価は『S』だ。
一昨年9月のデビューから3連勝でJpnⅠ全日本2歳優駿を制覇。昨年は5月の兵庫チャンピオンシップ(4着)で発馬後に大きくつまずき、脚も痛めて長期休養を余儀なくされた。それでも、6カ月半ぶりの復帰戦・霜月Sで完勝。前走のすばるSは最後の直線で進路を切り替えるロスがあって2着も、牧浦調教師は「今までは好位で抜け出すパターンが多かったが、馬群で我慢して脚を伸ばせたことが今回につながると思う」と前向きに捉える。
東京ダ1600メートルは初参戦ながら、同ダ1400メートルでは2戦2勝。トレーナーが「跳びが大きくて広いコースは合っている。それでいて軽い走りをするので芝スタートも問題ない」と舞台適性を見込めば、戸崎騎手も「条件はいいと思う。ずっと乗ってきた馬でGⅠに臨めるのはワクワクしている。その中で1番でゴールできれば」と力を込めた。
GⅠ初参戦で戴冠すれば、2016年モーニン、21年カフェファラオに並ぶ最少キャリア6戦でのフェブラリーS優勝となる。当レース連覇中のカフェファラオ、昨年のチャンピオンズCを制したジュンライトボルトがサウジC参戦で不在の一戦。4歳のドライスタウトが新星として台頭し、砂王への道を切り開く。(増本隆一朗)
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