今月限りで引退する福永騎手。オーヴェルニュとのコンビで国内ラストGⅠに挑む 2023年のJRA・GⅠが開幕! ダート王を決めるフェブラリーSが19日、東京競馬場で行われる。今月末で引退し、調教師に転身する福永祐一騎手(46)=栗東・フリー=は、来週はサウジアラビアで騎乗するため、国内での騎乗は今週がラスト。フェブラリーS連覇も懸かる鞍上に、現在の心境やコンビを組むオーヴェルニュ(栗東・西村真幸厩舎、牡7歳)の手応えなどを聞いた。
--今週が日本でのラストウイークになる
「そこまでの実感が湧いていなくて、感傷的になることはないかな。やることはいつもと変わらないからね」
--キャリア28年目はここまでJRA17勝で全国リーディング5位
「今が一番いい乗り方ができているんじゃないかな。まだうまくなれそう。昨年よりも今年の方がうまいと思うね。調教師試験の勉強をしたことで『こう乗ってほしい』と考える乗り方ができていると思うよ」
--そんな中で騎手生活にピリオドを打つ
「『いい引き際だ』と言ってもらえるけど、自分としては途切れていないと思っている。騎手から調教師に継続しているイメージ。終わるというよりも、次へ行くという感覚かな」
--4日の小倉での最終騎乗では、武豊騎手との一騎打ちなどで盛り上がった
「何回も接戦になって全部負けたけど、楽しかったよ。お客さんも多く見てくれて、あれだけ盛り上げてもらったのは本当にありがたいよね」
--国内最後のGⅠとなるフェブラリーSは、オーヴェルニュで臨む
「当初、騎乗予定だったカフェファラオのサウジカップ参戦で、いろいろ状況が変わった。その中で騎乗馬がいるのはありがたいよね」
--2021年平安S(1着)など6度目のコンビ。9日の1週前追い切りにまたがった感触は
「使ってきているからそれほど強い調教はいらないと思って、身のこなしやラストの脚はさすがという感じやったね」
--一昨年は13着。舞台適性については
「当時は輸送で体が減ったのが敗因で度外視していいと思う。その後は対策はしているからね。左回りの方が良くて、内ラチ沿いで運ぶのが理想。最後の直線が長いから、流れが速くなりそうなら後ろからでもいい。調教の感触では、切れる感じがあるからね」
──自身、フェブラリーSは05年メイショウボーラー、22年カフェファラオで2勝
「メイショウボーラーは強かったね。ノーステッキやったから。カフェファラオも強かった。作戦通りのレースやったね」
--昨秋はダートGⅠで5回騎乗して複勝率100%。9日には地方での最終騎乗だったJpnⅢ佐賀記念も制覇した
「ここにきてダートの成績がいいよね。以前は芝に比べて駄目だったのに。GⅠ、JpnⅠで3着以内が続いているからね」
--国内での有終の美に期待が懸かる
「メンバー的には混戦。スピードがあるから、1600メートルがマッチして良さが出れば面白いと思うよ」
■福永 祐一(ふくなが・ゆういち) 1976(昭和51)年12月9日生まれ、46歳。滋賀県出身。96年3月に栗東・北橋修二厩舎所属でデビュー。53勝で最多勝利新人騎手に輝く。2005年に初のJRA年間100勝(109勝)を達成し、自己最多の同重賞16勝をマーク。11、13年に同リーディングを獲得。調教師試験に合格した22年は歴代最長記録を更新する13年連続の年間100勝を達成。JRA通算2635勝は歴代4位、重賞はコントレイルでの3冠(20年)などGⅠ34勝を含む160勝(13日現在)。父・洋一氏は元騎手。競馬開催日に本紙でコラム「新ユーイチが行く」を連載中。
◇
◆昨秋以降ダートGⅠ5連続馬券圏内…福永騎手は昨年9月以降、JRAと地方のダート重賞に計14回騎乗し、南部杯(カフェファラオ)、カペラS(リメイク)、佐賀記念(バーデンヴァイラー)で3勝をマーク。2着7回、3着2着で、連対率71・4%、複勝率85・7%とハイアベレージを誇る。そのうちGⅠとJpnIに限ると、1勝、2着3回、3着1回で、騎乗した5回は全て馬券に絡んでいる。
◆来週末サウジ国際競走参戦…来月から調教師に転身する福永騎手は、ジョッキーとして今週末が国内でのラストウイーク。18日(土)は阪神競馬場で騎乗し、メインのGⅢ京都牝馬Sはテンハッピーローズとコンビを組む予定だ。来週末はサウジアラビア国際競走(25日、キングアブドゥルアジーズ)に参戦し、リヤドダートスプリント(GⅢ、ダ1200メートル)はリメイク(栗・新谷、牡4)、サウジダービー(GⅢ、ダ1600メートル)はエコロアレス(栗・森秀、牡3)に騎乗する予定となっている。
この記事をシェアする