東西トレセンで取材する記者が、日替わりでGⅠ出走馬の気になる点を関係者に直撃する「俺のチェックポイント」。フェブラリーSの初日は、大阪サンスポの増本隆一朗記者が3年連続出走のレッドルゼルに注目。距離の壁を打ち破る工夫に注目した。
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手前みそながら、ダートGⅠは得意だ。昨年のフェブラリーSは5番人気の◎テイエムサウスダンが2着、チャンピオンズCは3番人気の◎ジュンライトボルトが戴冠を果たした。正直いいイメージしかない。今年初のJRA・GⅠで開幕ダッシュを決めたい。
注目したのは、3年連続出走のレッドルゼル。一昨年は3番人気で4着、昨年は1番人気で6着だった。全9勝を1400メートル以下で挙げており、距離の壁があることは間違いない。あと1ハロンを克服するための〝何か〟がないか? 細かい雨が降る中、田港厩務員に直撃した。
「この中間は息をもたせるという意図で、CWコースで長めからやっています」
これまでの栗東坂路中心の追い切りから、CWコース主体に変更。スタミナ強化に取り組んでいる。この中間は2週連続同コースで3頭併せ。2日には6ハロン80秒4-11秒1の好時計を馬なりでマークした。行きたがるようなそぶりもなく、素軽いフットワークが印象的だった。
年明けはサウジアラビアのリヤドダートスプリントから始動する予定だったが、右前脚に慢性的な疲労感が確認されたため、招待を辞退。それでも、国内のレースを目指していくことに不安はない程度のもので、今後はドバイゴールデンシャヒーン(3月25日、メイダン、GⅠ、ダ1200メートル)も見据えている。同厩務員は「7歳になったけど、いい意味で変わりないですよ。落ち着いていて、順調にきています」とうなずく。
過去2年の敗戦についても、「寒い時期がいいタイプですが、一昨年は2月にしては気温が高く、かわいそうだった。大外枠も響きましたね。昨年は(重馬場で)得意な馬場ではなかった。ともにアドバンテージがなかったですね」と分析。続けて「パワータイプで、力のいる馬場の方がいい。年を重ねてレースぶりが大人になってきたし、走り方を見れば、そうは(マイルがもたないとは)思わないですけどね」と力を込めた。
今年は主役不在の混戦模様。三度目の正直がありそうな気がしてきた。(増本隆一朗)
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