★地方所属馬、外国馬も加わり多彩なメンバーが激突 2023年最初のJRA・GⅠを制すのはどの馬?
2月19日、東京競馬場ではフェブラリーS(GⅠ)が実施される。出走すれば同レース3連覇がかかっていたカフェファラオの登録はないが、今年のフェブラリーSにはショウナンナデシコ(牝6歳、栗東・須貝尚介厩舎)、ドライスタウト(牡4歳、栗東・牧浦充徳厩舎)、メイショウハリオ(牡6歳、栗東・岡田稲男厩舎)、レッドルゼル(牡7歳、栗東・安田隆行厩舎)のGⅠ・JpnⅠ勝馬4頭を含むJRA所属馬17頭に加え、地方・浦和所属のスピーディキック(牝4歳、藤原智行厩舎)が登録している。また、今年はカナダからシャールズスパイト(牡6歳、R・アトフィールド厩舎)が出走する予定となっており、ダートの頂上決戦にふさわしく多彩なメンバーが顔をそろえることになりそうだ。昨年のJRA・GⅠではフェブラリーSから菊花賞まで1番人気馬の連敗が続き、グレード制が導入された1984年以降では1番人気馬の勝率が最も低い年となったが、2023年最初のJRA・GⅠはどのような結果になるのだろうか。
★一昨年4着、昨年6着のレッドルゼル 今年も川田将雅騎手とのコンビで参戦
レッドルゼル(牡7歳、栗東・安田隆行厩舎)は、3年連続のフェブラリーS参戦となる。同馬は一昨年が4着、昨年は1番人気に支持されたものの6着に敗れているが、3度目の挑戦で同レース初勝利を挙げることができるだろうか。同馬には過去2年に続き川田将雅騎手が騎乗を予定している。レッドルゼルが勝てば、同馬を管理する安田隆行調教師はGⅠに昇格した1997年以降で最多タイとなるフェブラリーS3勝目となる。
GⅠに昇格した1997年以降のフェブラリーSでは、7歳以上馬が未勝利となっている。今年はレッドルゼルを含む6頭の7歳以上馬が登録しているが、初勝利を挙げることができるだろうか。
★東京大賞典以来の出走となるJpnⅠ勝ち馬 メイショウハリオ&ショウナンナデシコ
昨年の帝王賞(大井)勝ち馬メイショウハリオ(牡6歳、栗東・岡田稲男厩舎)、昨年のかしわ記念(船橋)勝ち馬ショウナンナデシコ(牝6歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、どちらも東京大賞典(大井)以来の出走で、同レースではメイショウハリオが3着、ショウナンナデシコが6着となった。メイショウハリオはダート1600メートル戦で1戦1勝、ショウナンナデシコはダート1600メートル戦で5戦3勝という成績を残しているが、フェブラリーSで再びビッグタイトルを手にすることができるだろうか。なお、メイショウハリオには浜中俊騎手、ショウナンナデシコには横山武史騎手が騎乗を予定している。
★デビューから10戦連続連対 根岸Sを制したレモンポップがGⅠ初挑戦
根岸S(GⅢ)で重賞初勝利を挙げたレモンポップ(牡5歳、美浦・田中博康厩舎)は、フェブラリーSが初のGⅠ挑戦となる。同馬はレモンドロップキッド産駒の米国産馬で、デビュー以来10戦7勝、2着3回で連対率100%を継続している。フェブラリーSでは2020年のモズアスコットから昨年の力フェファラオまで目下3年連続でマル外が勝利を挙げているが、レモンポップは初の大舞台でどのような走りを見せるだろうか。なお、根岸Sが1、2月に実施されるようになった01年以降、根岸Sを制したマル外が同年のフェブラリーSに出走したケースは6回あり、01年ノボトゥルー、16年モーニン、20年モズアスコットの3頭が勝利を挙げている。
また、レモンポップを管理する田中博康調教師にはJRA・GⅠ初制覇がかかる。田中博師のレース当日の年齢は37歳2カ月15日で、レモンポップが勝てばGⅠに昇格した1997年以降のフェブラリーS最年少優勝記録を更新する。
★根岸S14着からの巻き返しなるか 昨年2着のテイエムサウスダン
テイエムサウスダン(牡6歳、美浦・蛯名正義厩舎)は、昨年のフェブラリーSではスタートから400メートルを過ぎたところで先頭に立って、以降のレースの主導権を握り、勝ったカフェファラオには交わされたものの2着に入っている。同馬はその後4戦0勝という成績で、前走の根岸Sでは14着に敗れているが、昨年好走したフェブラリーSで巻き返すことができるだろうか。同馬には前走に続きC・ルメール騎手が騎乗を予定している。
また、テイエムサウスダンを管理する蛯名正義調教師はJRA・GⅠ初挑戦となる。蛯名正師は騎手としてJRA・GⅠ26勝を挙げているが、調教師として初めてのJRA・GⅠ出走となるフェブラリーSはどのような結果になるか。なお、蛯名正師は騎手時代の1992年のフェブラリーSの前身フェブラリーH(GⅢ)を制しており、同レースでJRA重賞初勝利を挙げている。
★レース史上初めて外国馬が出走予定 カナダからシャールズスパイトが参戦
今年のフェブラリーSには、カナダのシャールズスパイト(牡6歳、R・アトフィールド厩舎)がJ・モレイラ騎手とのコンビで出走を予定している。外国馬のフェブラリーS参戦は今回が初めてだが、シャールズスパイトはどのような走りを見せるだろうか。なお、同馬は通算14戦5勝という成績で、昨年のメーカーズマークマイル(GⅠ)、タンパベイS(GⅢ)を制し、前走のブリーダーズCマイル(GⅠ)で2着に入るなど主に芝のレースで活躍しており、ダート戦での成績は2戦0勝となっている。シャールズスパイトは父スパイツタウン、母パーフェクトシャールという血統だが、スパイツタウン産駒は日本に多く輸入されており、その中から2020年の高松宮記念を制したモズスーパーフレアや、ドスライス、リエノテソーロ、マテラスカイといったダート交流重賞の勝ち馬が出ている。
★地方馬2頭目の制覇なるか 浦和の4歳牝馬スピーディキック
今年のフェブラリーSには、地方・浦和競馬所属のスピーディキック(牝4歳、藤原智行厩舎)が御神本訓史騎手とのコンビで参戦を予定している。同馬は昨年、南関東で主に牝馬限定戦に出走して6戦5勝という成績を残し、ダート交流重賞の関東オークス(川崎)では3着に入っている。地方馬がフェブラリーSを勝てば、1999年の回メイセイオペラ(岩手)以来24年ぶり2頭目となり、牝馬がフェブラリーSを勝てばGⅠに昇格した1997年以降では初めてとなるが、スピーディキックはJRA初参戦で勝利を挙げることができるだろうか。
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