池添騎手は大きな期待を懸けるプラダリアで強敵相手に一発を狙っている 昨年11月に落馬負傷して休養していた池添謙一騎手(43)=栗・フリー=が、11日の阪神競馬で2カ月半ぶりにターフに戻ってくる。定年を迎える父・兼雄調教師(70)=栗東=の存在が、落ち込んだ心の緩和と早期復帰につながった。今年の飛躍を誓うプラダリアと挑む京都記念では重賞2勝目を狙う。
◇
大きなけがを乗り越えて、気持ちを新たにターフに戻ってくる。2023年の始動に向けて、池添騎手が力を込めた。
「今週は自分の感覚の部分では戻っているなと思いました。(馬の)足を引っ張らないように、しっかりエスコートできるようにしたいです」
昨年11月26日の阪神競馬で落馬し、第12胸椎破裂骨折の重傷を負った。当初は体も動かないほどで、2カ月半の休養はデビュー26年目にして最長。メイケイエールの香港遠征など、有力どころでのGⅠ参戦が不可能になった。「正直、めちゃくちゃへこみました。いろいろ骨折はしていますが、背中は体の軸なので今までと比べものにならない」と振り返る。
それでも奮起できたのは、2月いっぱいで定年する父・兼雄調教師への思いだ。「それまでに復帰して騎乗して、送り出したい」。また4日には小倉に駆け付け、武豊騎手のJRA通算4400勝を見届けた。「豊さんに憧れてジョッキーになっているので、すごい記録を達成されているのを見ると、僕も頑張らないといけないと思いました」と刺激を受けた。
京都記念でコンビを組むプラダリアは弟・学調教師が管理し、昨年の青葉賞Vで日本ダービー5着。今年の飛躍を期待している一頭で、2週連続で追い切りに騎乗して好感触をつかんでいる。
「いい状態で行けそう。いいメンバーがそろっていますが、ここで力を見せてくれれば。GⅠ戦線に乗り込んで行けるし、行ってほしい」
大舞台で常に存在感を示してきた池添騎手。GⅠウイナー3頭が集う重賞で、いきなり華麗な手綱さばきを見せてくれそうだ。(斉藤弘樹)