ダノンザタイガーと川田将雅騎手。左は国枝栄調教師=美浦トレセン(撮影・塩浦孝明) 12日に東京で3歳馬の中距離GⅢ「第57回共同通信杯」が行われる。一昨年のエフフォーリアを筆頭に過去の勝ち馬から数々のGIホースが誕生。出世レースとしても知られている。ダービー候補と名高いダノンザタイガーが今年の初陣を迎える。春の大舞台に向けて負けられない一戦になりそうだ。
20年セレクトセール当歳セリで2億9700万円で取引され、早くから牡馬クラシックの主役候補と目されてきた逸材が、満を持して始動戦を迎える。
ハーツクライ産駒のダノンザタイガーは昨年11月の東京スポーツ杯2歳Sで2着。直線外から勢いよく脚を伸ばしたが、わずかにクビ差及ばなかった。川田騎手は「改めて素晴らしい背中をしている馬です。2戦目よりも、はるかにいい形で動いてくれました」と振り返っており、決して悲観する内容ではない。
1週前追い切りには川田騎手が美浦へ駆けつけ、Wコースで6ハロン82秒9、ラスト1ハロン11秒4をマーク。厳しい向かい風の中、直線で仕掛けられると3頭併せで最先着を果たした。特に最後の伸び脚は上々で、仕上がり良好だ。
鞍上は「いい馬だからこそ動いているように見えますが、乗った感じだとまだ動けてはいませんし、もっと良くなります」とジャッジしたが、「先々どれほどの馬になるか楽しみです」とも話したように、期待の高さが伝わってくる。
国枝調教師も「現状、この馬としてはひとつずつ進んではいる。距離はもう少しあったほうがいいとは思うけど、次に自信をもっていけるようなレースを」と、好結果を期待する。始動戦を勝利で飾り、春の大舞台へ。さらにはその先に向けて弾みをつけたい。(夕刊フジ)