根岸Sをレモンポップで制した田中博康調教師(右)=1月29日、東京競馬場(撮影・菅原和彦) 29日に行われた根岸Sでレモンポップが1番人気に応え、重賞初制覇を飾った。そして、この勝利は管理する田中博康調教師(37)=美浦=にとっても開業6年目での重賞初Vとなった。慎重なタイプにしては珍しく、レース前に「まだ重賞を獲っていないことは、当然意識しています。とにかく、勝ちたいです」と強く意気込みを語っていただけに喜びもひとしおだろう。
31歳の若さで調教師試験に一発合格し、ジョッキーから転身。今でも精力的に調教にまたがり、管理馬の状態把握に努めている。それだけにジャッジはかなり的確で、馬券ではたびたび美味しい思いをさせてもらっている。最近ではホウオウカブキ。「攻め馬でも結構攻めているのにへこたれない。かなりパワーがありますね。芝でも上位に来るとは思いますが、もしかしたらダート向きかもしれません」がデビュー前のトレーナー評。その言葉通り、ダートに替わった14日中山での2戦目できっちり勝ち上がり、記者に当たり馬券を運んできてくれた。
昨年はキャリアハイの35勝を挙げ、今年もすでに5勝と好スタートを切っている。レモンポップ以外にも、ダート4戦4勝で次走にはマーチSを予定しているウィルソンテソーロ(牡4歳)、昨年のセントライト記念3着馬ローシャムパーク(牡4歳)、12月10日の中山芝1800メートル未勝利戦を3馬身半差で圧勝したレーベンスティール(牡3歳)などラインアップは粒ぞろい。クラシック戦線でも大暴れしてくれそうな予感がしている。2023年は〝タナパク・イヤー〟になりそうだ。
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