豊橋競輪の開場73周年記念『ちぎり賞争奪戦』で完全Vを飾った脇本雄太 豊橋競輪の開場73周年記念『ちぎり賞争奪戦』(GⅢ)は29日、12Rで決勝戦が行われ、脇本雄太(33)=福井・94期=が逃げ切って前走の和歌山記念に続く完全Vを飾った。GⅢ制覇は13度目。2着は古性優作で近畿ワンツーとなり、3着には坂井洋が入った。
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2010年に豊橋で記念初優勝を飾ってから13年。近畿のホープから輪界最強へと飛躍を遂げた脇本が、圧倒的な脚力でGP王者の貫禄を見せつけた。
スタートから牽制が入ったが、ひと呼吸置いて古性が誘導を追いかけ脇本が前受け。赤板過ぎに後ろ攻めの山口が内を追い上げたが大勢に影響はなく、誘導を存分に使った脇本が打鐘前から満を持して先行態勢に入る。他のラインに付け入る隙を与えず、最後は古性との一騎打ち。力強く踏み直して2場所連続の記念完全Vを達成した。
「意外だったけど、誘導が残っていたので自信が持てるところから踏みました。古性君とワンツーを決められてよかった」
歓喜のGP初制覇から1カ月、全勝をキープしている。「練習がしっかりできていなくて、GPの脚の貯金がなくなってきたころ」と景気のいい言葉は聞かれなかったが、規格外のパワーに陰りはない。
「人気に応えないと、という使命感を持って走っているので。期待が高い分、自分にプレッシャーをかけて頑張っていきたい」
この後は中2日で奈良記念とタイトなスケジュールが控えている。初制覇を狙う2月のGⅠ全日本選抜へ向けて、勝ち続けていくのみ。さらなる高みを追い求め、〝脇本劇場〟の新たな章を紡いでいく。(小橋川寛)