宮城から茨城への移籍を表明したのが一昨年の1月。早坂が関東の一員として必死にもがいている。
昨年11月の取手FⅡ(❺③❹着)では、決勝で同県の木村皆斗とタッグを組んだ。木村は打鐘前に飛び出し、3番手以下を引き離す大逃げを打って出た。しかし、番手の早坂は木村をかばいすぎてV逸。巻き返してきた桑名僚也らにのみ込まれ、4着に沈んだ。
「自分をどこまで大切にすればいいのか、相方が何を思って何を望んでいるのか…それを把握しておかないと駄目。自分にはまだ甘さがある」
S級時代には2017年12月に伊東記念でGⅢ優勝の実績がある。新山響平に乗って2段駆けに持ち込んでのVだった。その後も北日本ラインをリードしつつ連係を繰り出してきたが、茨城に拠点を移して未熟さを思い知った。
「連係するときには、その場その場で最善を尽くさないと。お互いの価値観にも違いがあるから簡単にはいかないだろうけど」
1月の取手FⅡ(❶②❸着)では伊早坂駿一や土田武志との連係が見込まれた。後輩2人は初戦で敗退したため同県セットは実現しなかったが、早坂はラインの先頭で積極的に動いて存在感をアピールした。決勝は高谷敏史との2分戦だったが、降ろされながらも最終HSから巻き返して先行勝負。同県の山崎悟をVに導き、男を上げた。
「これから後輩と連係するときには納得のいく結果を出したい。優勝すべきときには、しっかりとものにできるように」
信頼感を築いて絆を紡ぎ、連係に磨きをかけていく。
■早坂秀悟(はやさか・しゅうご) 1986(昭和61)年1月22日生まれ、37歳。2005年7月に青森でデビュー。同じ90期には浅井康太、稲川翔、北津留翼、新田祐大がいる。父の悟さん(49期・引退)も競輪選手だった。2017年12月には伊東競輪開設記念でGⅢ初優勝を達成。通算成績は1517戦292勝、2着238回、3着152回(1月25日現在)。175センチ、80キロ、太股63センチ。血液型A。
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