武藤善則調教師(左)と武藤雅騎手=
1日、美浦トレセン(撮影・塩浦孝明) 〝マイファミリー〟で、いざGⅠへ。東京新馬戦、コスモス賞と無傷連勝中のモリアーナを阪神JFに送り出す武藤善則調教師も、大舞台に気持ちを高ぶらせている。
厩舎カラーのオレンジのマウンテンバイクにまたがり、さっそうと美浦トレセンを駆け回る。管理馬の調教に鋭い視線を向け、乗り役と真剣な表情で話し込んだかと思えば、取材の輪では自ら冗談をまじえて話に花が咲く。誰とでも分け隔てなく、気さくな性格が、その一挙手一投足に表れている。
そんな性格が生んだ多くのつながりの中でも、モリアーナの高橋文男オーナーとは騎手時代からの深い縁。所属していた美浦・黒坂洋基厩舎にオーナーが預託、1988年7月の福島6R3歳400万下(現1勝クラス)をポタリングで勝つなど親交があった。今ではLINEで連絡を取り合う仲だ。「最近教えてもらったそうで、モリアーナの動画を送ったりしています。期待の高さが伝わりますよね」と笑顔まじりに気を引き締める。
高橋オーナーがかつて出資していた一口クラブの馬と関係のある母系で、2020年セレクトセール(3000万円で落札)で見初めた一頭。ところが、育成段階で顎の骨肉腫を患い、一時は競走馬としての未来も危ぶまれた。無事に回復し、2歳戦開幕週の東京マイルで3馬身差Vを飾ると、続くコスモス賞も2馬身差で快勝。オーナー、調教師ともに思い入れは深まるばかりだ。
厚い愛情を注ぐ人物は他にもいる。トレーナーの長女で歌手の武藤彩未さん…※この記事は「有料記事」です。 残り706文字 「ゴールドパック」、「シルバーパック」のご購入で続きをお読みいただけます。
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