吉田豊騎手(47)=美浦・フリー=がパンサラッサ(栗東・矢作芳人厩舎、牡5歳)で香港カップ(11日、香港・シャティン、GⅠ、芝2000メートル)に参戦する。パンサラッサは前走の天皇賞・秋で後続を15馬身以上離す大逃げを披露。1000メートル通過57秒4の超ハイラップを刻み、直線に入っても逃げ粘るかと思わせるほど大きなリードを保っていたが、ゴール寸前でイクイノックスに交わされて2着となった。それでも、見せ場十分の競馬っぷりでスタンドを大いに沸かせたと同時に、改めて能力の高さを示した一戦であった。吉田豊騎手は「ここ2戦(宝塚記念8着、札幌記念2着)はあんまり自分から行く感じではなかったけど、うまくスタートを出てくれたし行きっぷりも戻っていました。外から何頭か来たけど内から突っ張ってリズム良く行けました。多少ペースが速くなってもと思っていたけど、目一杯走ってくれました」と振り返る。
吉田豊騎手は昨年10月のオクトーバーSでパンサラッサと初めてコンビを結成。それまで成績が安定しなかったパンサラッサを逃げさせて、1年4カ月ぶりの勝利に導いた。それからパンサラッサは大きく飛躍。今年は中山記念を制すると、ドバイターフでGⅠ初制覇を果たした。現役屈指の逃げ馬へと進化を遂げた相棒に、吉田豊騎手は「僕が乗ってからはハナにしか行っていないし、結果もついてきている。体力もあるし、最後まで頑張ってくれます」と目を細める。
香港カップには日本馬5頭が参戦。札幌記念を制し、天皇賞・秋4着のジャックドール、皐月賞馬ジオグリフ、マイルCS2着ダノンザキッド、大阪杯2着レイパパレと強力なライバルと対峙する。「日本の人はパンサラッサが逃げたら手強いと分かっているだろうけど、それでも前回のような競馬がしたい。緩急をつけずに自分のリズムで行ければ」と吉田豊騎手は堂々の逃げ宣言。「馬も力をつけていますし、海外輸送も問題なくこなしてくれる。最初のコーナーが早いので、スタートをしっかり決めてうまく1、2コーナーを迎えられれば。馬の力を引き出せるように頑張ります」と、相棒をGⅠ2勝目へ導くべく闘志を燃やしている。(東京サンスポ・綿越亮介)
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