ステイヤーズSを制したシルヴァーソニック=3日、中山競馬場(撮影・奈良武) 12月3日の中山11Rで行われた「第56回ステイヤーズステークス」(3歳以上オープン、GⅡ、芝・内3600メートル、別定、14頭立て、1着賞金=6200万円)は、ダミアン・レーン騎手の3番人気シルヴァーソニック(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)が直線で最内から鮮やかに抜け出してV。天皇賞・春で落馬したアクシデントから7カ月ぶりの実戦にもかかわらず、重賞初制覇を成し遂げた。タイムは3分46秒3(良)。
3/4馬身差の2着には外から末脚を伸ばしたプリュムドール(5番人気)、さらに1馬身1/4差の3着に昨年の覇者ディバインフォース(4番人気)が入った。
レースは1番人気のディアスティマが最内枠から先手を取り、メロディーレーンが2番手。3番手以降にはシークレットラン、シルヴァーソニックが続いた。しかし、アイアンバローズが1周目の3~4コーナーで2番手に進出。ここで隊列が落ち着く。マイペースに持ち込んだディアスティマが押し切りを図るが、勝負どころで各馬も仕掛けて団子状態に。そんな中、中団のインでじっと脚をためていたのがシルヴァーソニック。慌てずにタイミングを待ち、インがあいたところでゴーサインを出されると、鋭い末脚を発揮して抜け出した。外から迫るプリュムドールを寄せ付けずにV。落馬競走中止の憂き目を見た天皇賞・春以来の実戦で、皐月賞馬キャプテントゥーレの半弟が待望の重賞タイトルを手にした。このレースで池江泰寿調教師はJRA通算800勝を達成。また、母エアトゥーレの産駒はアルティマトゥーレ、キャプテントゥーレ、クランモンタナに続いて4頭目の重賞Vとなった。
◆ダミアン・レーン騎手(1着 シルヴァーソニック)「スタートしてすぐに内ラチ沿いのいいポジションを取れて有利な競馬ができました。直線でもスペースができてからすぐ反応してくれていい脚を見せてくれました。この後も長距離なら重賞でも強いところを見せてくれると思います」
ステイヤーズSを勝ったシルヴァーソニックは、父オルフェーヴル、母エアトゥーレ、母の父トニービンという血統。北海道千歳市・社台ファームの生産馬で、馬主は(有)社台レースホース。通算成績は20戦5勝。重賞初勝利。ステイヤーズSは池江泰寿調教師、ダミアン・レーン騎手ともに初勝利。