今年の阪神競馬の後半戦は、暮れまで続く13週26日間のロングラン開催で、去年よりも1日多い。ただ、その点を意識して頑丈に作られているせいか、芝コースは傷みの進行が遅い。エリザベス女王杯が行われた3週前は開催日にまとまった雨が降り、時計もかかったが、降雨を契機に馬場の傷みが大きく進行することはなかった。
Bコースに替わった先週は3メートル幅の移動柵により、3~4コーナーに関しては傷み始めた内側のレーンがほぼ消滅し、まるで開幕週のような内有利、先行有利の局面が生まれた。また、日曜10Rの立雲峡S(3勝C、芝1600メートル)の勝ち時計は1分31秒9。前週に行われたGⅠ・マイルCSの勝ち時計を0秒6も上回った。さらに説得力を持たせるために、先週の阪神芝11鞍の枠順別の成績を内回りコース、外回りコースに分けて示しておきたい。
◆内回りコース(6鞍)
1枠【1・1・0・ 8】
2枠【2・0・3・ 6】
3枠【0・3・1・ 8】
4枠【2・1・0・ 9】
5枠【0・0・1・11】
6枠【0・0・0・12】
7枠【1・1・0・10】
8枠【0・0・1・11】
◆外回りコース(5鞍)
1枠【0・0・2・ 4】
2枠【1・2・0・ 3】
3枠【0・0・2・ 4】
4枠【0・0・1・ 6】
5枠【1・2・0・ 5】
6枠【3・1・0・ 6】
7枠【0・0・0・11】
8枠【0・0・0・11】
直線の長さに関係なく圧倒的に内枠の方が好走率が高く、7、8枠に関しては頭数が多いにも関わらずほぼ壊滅状態だ。また、先週の芝11鞍で馬券に絡んだ33頭の位置取りを見ると、1着馬に関しては11頭中6頭が最初のコーナーで2番手以内の位置取りを確保していた。3着以内にまで手を広げても、33頭中17頭が最初のコーナーで5番手以内の馬だった。
今週も土曜日に限っては天気予報に雨マークもなく、阪神の芝が良馬場で行われることはほぼ確実。そうなったら、先週同様、時計も速く、内有利・先行有利の局面になる可能性が高い。馬券を買う際も、このポイントを考慮しつつ買い目を組み立てた方がいいだろう。
阪神3R⑤アムブロシアー
1200メートルの小倉新馬では2番人気に推されたが、父はモーリスで母の父はキングカメハメハ。母方の血統を見てもスプリンターの要素は薄く、いかにもは短すぎた。もちろん1800メートルへの距離延長はプラスだが、結果が出なかった新馬でも自身の前半3ハロンは33秒8。ここまでの初速を見せた馬は他におらず、先行有利で速い時計が出る馬場状況を考えれば、前走で1200メートルを経験したことはいい形で生かされる可能性が高い。枠順も4枠5番と文句無しだ。
単勝⑤。馬連⑤-②③⑥⑧⑨⑪⑬。3連複フォーメーション⑤-②⑥-②③⑥⑧⑨⑪⑬。
阪神4R⑥ルフレーヴ
5着に敗れた初戦の勝ち馬はラヴェル。次走のGⅢアルテミスSを勝ち、現在2戦2勝。来週のGⅠ・阪神JFでも上位人気が予想される馬。最後は決め手の差で後れを取ったが、3番手から正攻法の立ち回りを見せ、競馬センスの良さは見せた。前走はハイペースを先行し、直線は窮屈になって追いづらくなる場面もあった。それでも0秒6差と、ここまでの2戦もそれぞれに中身のあるパフォーマンスを見せてきた馬だ。他に出足の速い馬は見当たらず、楽に先行できそうな組み合わせ。母方の血統はスピード色が強く、時計が速くなっても未勝利レベルなら問題なく対応できるだろう。
単勝⑥。馬連⑥-①③⑤⑦⑨⑩。ワイド⑥-①③⑤。
阪神11R・チャレンジC⑤ビーアストニッシド
今年は3冠路線にフル参戦したが、どう見ても日本ダービー、菊花賞は距離が長すぎた。ハイレベルの共同通信杯で3着と善戦し、フジテレビ賞スプリングSで重賞制覇。皐月賞も先行馬には厳しい展開だったことを思えば、11着とはいえ0秒8差ならそれなりの評価はできる。2000メートル以下のカテゴリーでは同世代でも上位ランクに位置づけられる実力はある馬だ。脚質的にも内有利・先行有利の局面は臨むところ。適条件以外で結果を出せなかった近走の着順は度外視して狙える。
単勝⑤。馬連⑤-①②③④⑨⑩⑫。3連単⑤⑩→①②③④⑨⑫マルチ、①⑤→②③④⑨⑩⑫マルチ。
この記事をシェアする