2021年7月 信夫山特別 1着エドノフェリーチェ=福島競馬場 先週はグリューネグリーンがめでたく京都2歳Sを勝ってくれました。たくさんの応援、ありがとうございます。
逃げる形になりましたが、実は全く作戦にはありませんでした。ただ、前走は暴走気味に大逃げを打った馬の2番手で運んでいたので、実質的にはハナを切っていたようなもの。ミルコ(デムーロ騎手)はそれも頭に入れていて、行く馬がいなければ行ってもいいと思っていたのかもしれません。外枠の馬が競ってきたときに一瞬ハミをかんだので「まずい…」と思いましたが、すぐに引いてくれたので助かりました。直線では外にヨレて他馬に迷惑をかけるなど幼さものぞかせましたが、なみいる良血馬を退けての勝利で内容としてはとても強かったと思います。
当日の阪神競馬場には札幌から斎藤光政オーナーが駆けつけてくださいました。斎藤オーナーは重賞2勝を挙げながら腸閉塞のために早世した兄のヴェルデグリーンも所有。それだけに「最後に差されなかったのは天国からヴェルデグリーンが後押ししてくれたのかもしれないね」としんみりされていました。レース後にソエ(骨膜炎)が出たため、今後については患部の状態を観察しながら決めていきたいと思いますが、無理はさせたくありません。兄がかなわなかったクラシック出走へ、来春が本当に楽しみです。
今週は暮れの中山の名物重賞・ステイヤーズS(3日)にエドノフェリーチェを出走させます。3勝クラスからの格上挑戦になりますが、ゴールドシップ産駒だけに以前から距離はあればあるだけいいと思っていました。3000メートルの前走・古都Sは8着に終わりましたが、(藤岡)康太に「気合をつけて前に行ってほしい」と指示したところ、1周目で掛かってしまったのが敗因。余計なことを言ってしまったと反省しています(苦笑)。今回は乗り慣れたミルコですし、作戦は全てお任せにするつもりです。追い切り後にチェックした獣医師は「馬体がいい」と言ってくれましたし、デキも文句なしだと思います。ミルコとのコンビで今週も一発狙いますよ!
■相沢 郁(あいざわ・いくお) 1959年6月19日生まれ。北海道出身。麻布大学獣医学部で獣医師免許を取得。98年に厩舎を開業。初年度からウメノファイバーが京王杯3歳Sを優勝し、翌年にオークス制覇。2012、13年にJRA賞優秀調教師賞を受賞。これまでにJRA重賞20勝をあげている。趣味はお酒。
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