今年はノットゥルノが制したジャパンダートダービー。2024年からは「ジャパンダートクラシック」と名を変えて10月上旬に実施される 地方競馬主催者、全国公営競馬主催者協議会、日本中央競馬会(JRA)および地方競馬全国協会(NAR)の合同による「全日本的なダート競走の体系整備について」の記者会見が28日、東京・港区の地方競馬全国協会で開かれた。
2024年の3歳ダート3冠競走を中心とした2・3歳馬の競走体系が整備されることは今年6月に発表済み。大井競馬場で行われる羽田盃(1800メートル)、東京ダービー(2000メートル)をJpnI競走に格上げし、ジャパンダートダービーは秋に移設することが決まっていた。春2冠、秋に1冠という芝の3冠レースに近い形態として施行される3冠目について、レース名は「ジャパンダートクラシック」(大井、JpnI、2000メートル)に決定。10月上旬に実施されることも発表された。このレースの勝ち馬には、JBCクラシックの優先出走権が付与される。羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートクラシックの3競走は、3歳ダート3冠競走に位置付けられ、賞金を大幅に増額。3冠ボーナスも設定される。
これまでダートグレード競走の空白期間だった3歳1~4月にはブルーバードC(1月中旬、船橋、JpnⅢ、1800メートル)をはじめとするダートグレード競走を新設。羽田盃の前哨戦に雲取賞(2月中旬、大井、JpnⅢ、1800メートル)と京浜盃(3月中旬、大井、JpnⅡ、1700メートル)、東京ダービーの前哨戦にユニコーンS(JRA、GⅢ、実施時期は変更)、ジャパンダートクラシックの前哨戦に不来方賞(9月上旬、盛岡、JpnⅡ、2000メートル)をそれぞれ位置付け、上位馬に優先出走権を与える方針だ。
3歳馬については、兵庫チャンピオンシップ(5月上旬、園田、JpnⅡ)が1870メートルから1400メートルへと変更。3歳春の短距離路線の頂点となるこのレースに向けては、2歳秋と3歳春に高額賞金の重賞級認定競走(ネクストスター)を新設する。2歳時に全国8つの競馬場、3歳時に4つの競馬場で実施されるネクストスターは、地方デビュー馬のみが出走可能。3歳春の4競走は、それぞれの優勝馬に兵庫チャンピオンシップへの優先出走権が付与される。また、北海道スプリントC(門別、JpnⅢ、1200メートル)が3歳限定戦として8月に移設されることも発表された。
古馬短距離路線は、下半期のJBCスプリントに対して、上半期に目標となる競走がなかったことから、これまでJpnⅡだったさきたま杯(浦和、1400メートル)をJpnIへと昇格。施行時期は6月中旬となる。
古馬中距離路線では、ローテーションの整備および出走馬の質の向上を図る観点から川崎記念(JpnI、2100メートル)の実施時期を変更。厳寒期の名物レースは、4月上旬に移設される。
古馬牝馬路線はエンプレス杯(川崎、JpnⅡ、2100メートル)を上半期の頂点競走として設定。5月上旬の定量戦として施行される。また、TCK女王盃は実施場と施行時期を変更。園田競馬場での兵庫女王盃(4月上旬、JpnⅢ、1870メートル)として生まれ変わる。
3歳牝馬路線では、マリーンC(船橋、JpnⅢ)が従来の1600メートルから1800メートルへと延長され、3歳限定戦に。実施時期も9月下旬へと変更されて、3歳牝馬の下半期の頂点として位置付けられることになった。同競走優勝馬にはJBCレディスクラシックの優先出走権が付与される。
これらの改革は、2023年の2歳馬競走から実施。ダート3冠競走は24年に新たな幕開けを迎える。
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■ダートも国際化へ…日本がパートI国でありながら「JpnI」と「GI」が混在している現状にも対策が講じられる。国際化に向けた取り組みとして、2028年から「Jpn」の表記の使用は段階的に取りやめる方針。全てのダートグレード競走を国際競走とすることを目指し、賞金額の設定やレースレーティングの達成、海外出走馬の受け入れ体制整備にも地方競馬一丸となって取り組む。日本のダート競馬の国際的な評価を高めることが目的だ。
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■その他の変更点…かきつばた記念(名古屋、JpnⅢ、1500メートル)は5月上旬→3月上旬に、名古屋グランプリ(JpnⅡ、2100メートル)は12月上旬→5月上旬に、名古屋大賞典(JpnⅢ、2000メートル)は3月上旬→12月下旬にそれぞれ移設。名古屋大賞典はハンデ戦として施行される。エーデルワイス賞(門別、JpnⅢ、1200メートル)は10月中旬→11月上旬、クイーン賞(船橋、JpnⅢ、1600メートル)は12月上旬→2月上旬、ブリーダーズゴールドC(門別、JpnⅢ、2000メートル)は8月中旬→9月上旬にそれぞれ移設。
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■生え抜き強化へ…ダートグレード競走では中央馬優勢の状況が続いており、特に地方生え抜きの有力馬が少ないことを課題と認識。馬資源の充実に向けた取り組みを強化するとともに、ダートグレード競走の魅力向上に向けた施策にも取り組むとした。ダートグレード競走では出走奨励策だけでなく、地方最先着馬に対する褒賞金も予定されている。
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■賞金増額…羽田盃の1着賞金は従来の3500万円から5000万円に、東京ダービーは5000万円から1億円に、ジャパンダートクラシックは(JDDの)6000万円から7000万円に、それぞれ増額。
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