チャレンジカップで優勝を果たした深谷知博(右は妻の鎌倉涼) ボートレース鳴門の『SG第25回チャレンジカップ』は27日、第12Rで優勝戦が行われ、6号艇の深谷知博(34)=静岡=が2マーク差しで逆転勝利。2度目のSG制覇を飾るとともに、大逆転でのグランプリ出場を決めた。第11Rで行われた『GⅡ第9回レディースチャレンジカップ』の優勝戦は中村桃佳(29)=香川=が6コースからのまくり差しで2度目のGⅡVを達成。また、グランプリとクイーンズクライマックスの出場選手も決定した。
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機力、そして自分を信じたからこその大逆転劇だ。6号艇でファイナルに挑んだ深谷が、2マークでの俊敏ターンで接戦を制して2度目のSG制覇を決めた。
「(準優で)思い切った調整をやったことで雰囲気がガラッと変わった。それがよかったのかな」
予選は18位と中盤まで波に乗れずにいたが、チルト0・5度のセッティングに変更した準優から気配は急上昇。優勝戦も大外から内の選手のもつれを突き、バックでは3番手につけた。
「バックは1号艇(山口)と5号艇(篠崎仁)がやり合ってどうなるか見ていたら一番いい展開になったし、2マークはいいターンができた。エンジンが連れていってくれましたね」
準優が終了した26日時点での賞金ランクは25位で、12月の大村グランプリ(13~18日)出場には優出3着以上がノルマだった。それだけに出場権獲得が大前提ではあったが、2マークの大きな〝ツキ〟と、納得のレベルまで仕上げた39号機が優勝へと導いた。
直前の11R・レディースCC優勝戦には妻の鎌倉涼が6枠で出場。Vなら12月の住之江クイーンズクライマックスの出場権を獲得できたが、結果は5着に敗れた。「〝だから僕が(優勝する)〟というよりは、自分のベストを尽くそうと思っていた。それだけです」と振り返りながらも、ゴール直後は静岡支部の面々とともに愛妻の祝福を受けて、満面の笑みを見せた。
この優勝で賞金ランクは5位に上昇し、2020年の平和島大会以来、2度目の出場となるグランプリは3日目のトライアル2ndからの出場が決まった。舞台は同年10月のダービーでSG初優出Vを飾った大村だ。
「(大村は)苦手意識は特にない。前回のグランプリは転覆して迷惑をかけてしまった。今回の調整を含めてグランプリもいい方向にいけたらいいなと思う」
最高の結果を出していい波に乗った静岡の〝クールガイ〟が、年末の大舞台でも冷静かつ大胆な走りを披露する。(立山友基)
■深谷知博(ふかや・ともひろ)1988(昭和63)年4月1日生まれ、34歳。静岡県出身。103期として2008年11月に浜名湖でデビュー。同期には黒井達矢、小野生奈、渡辺和将らがいる。SGは20年10月の大村ダービーで初優出Vを達成。今回2度目の優勝を飾るとともに、大会初制覇を決めた。通算38V(GⅠ2V)。家族は同じボートレーサーで妻の鎌倉涼(33)と子供2人。164センチ、52キロ。血液型A。
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