土曜東京5Rでデビューするディアマンテブルー=美浦トレセン 先週の秋華賞に出走したライラックは10着に終わりました。応援してくださったファンの方には大変申し訳ない結果になってしまいました。長距離輸送をクリアしてパドックでも落ち着きがあり、状態は本当に良かったと思います。課題のスタートもしっかりと決まって「よし!」と思ったのもつかの間、最後方までズルッと下がってしまったときは目を疑いました。勝負どころでも内を突かずに、大外をぶん回し。あれではとても届きません。
レース後、鞍上のミルコ(M.デムーロ騎手)は開口一番「うまく乗れませんでした」と謝ってきました。ハミを噛(か)んだのを気にして手綱を引いてしまったとのことですが、ちょっといただけない騎乗ぶりでした。何より、馬がかわいそうです。幸いレース後も疲れはないようなので、もう一度ミルコとのコンビでエリザベス女王杯(11月13日、阪神、GⅠ、芝2200メートル)に向かいます。今度こそしっかりと乗ってきて、ライラックの全力を発揮させてほしいと思います。
この悔しさは、10月22日の東京5R(2歳新馬、芝2000メートル)でデビューする弟のディアマンテブルーに晴らしてもらいましょう。馬格があって、このきょうだいでは一番の馬っぷり。生まれたときから期待していた馬です。今週の追い切りにまたがった戸崎騎手も「まだ緩いけど、乗り味はいい」と言ってくれました。サトノダイヤモンド産駒は他厩舎の馬を見てもモッサリとしたタイプが多く、もしかしたら初戦向きではないかもしれませんが、秘めた素質は確かなものがあると思います。距離も長い方がいいですし、来春に夢を見させてくれるような走りを期待しています。
■相沢 郁(あいざわ・いくお) 1959年6月19日生まれ。北海道出身。麻布大学獣医学部で獣医師免許を取得。98年に厩舎を開業。初年度からウメノファイバーが京王杯3歳Sを優勝し、翌年にオークス制覇。2012、13年にJRA賞優秀調教師賞を受賞。これまでにJRA重賞19勝をあげている。趣味はお酒。