中京2歳Sをレコード勝ちした舞台でジャングロが激走を誓う 秋競馬が開幕、日曜の中京メインでは産経賞セントウルSが行われる。注目は3歳馬ジャングロ。マイルGⅡのニュージーランドTを勝っているが、今回の舞台では中京2歳Sをレコード勝ち。年長馬を下して前哨戦を勝ち、スプリンターズS(10月2日、中山、GⅠ、芝1200メートル)へと弾みをつけてみせる。
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伸びゆく3歳馬の勢いを拝見したい。ジャングロが年長馬の壁に果敢に挑戦。水曜追いに向けての栗東坂路調整を終えた村上助手から力強いコメントが出た。
「1カ月前に牧場から戻して、このレースとスプリンターズSを目標に乗り込んできました。走れる状態にあると思います」
ニュージーランドTでは、人気ゲーム「ウマ娘」のサイバーエージェント社長の藤田晋オーナーに重賞初勝利をプレゼント。余勢をかって挑んだ前走のNHKマイルCは痛恨の出遅れ。ただ4コーナー通過まで最後方だったが、直線で伸びて、勝ち馬から0秒6差の7着まで追い上げ、力のあるところは見せた。「いつかは(出遅れるような)雰囲気があったんですよね。後ろで折り合えるのはわかっていただけに…。悔しいですね」と同助手は唇をかむ。その経験から中間はゲート練習も積み重ねており、「入りと駐立をしっかりやっています。何とか我慢できていると思いますよ」と調整に余念がない。
もちろん夏場の充電でパワーアップしており、同助手は「首回りがちょっと大きくなって、体の使い方が良くなりましたね。追い切りも楽に動けていますよ」と成長を伝える。時計的にも8月21日の栗東坂路で、自己ベストを0秒4更新する4ハロン50秒1-12秒2を出し、数字でも成長を示した。
春はマイルGⅠ路線を進んだが、実績的には芝1200メートルの方がいい。4勝中2勝を挙げ、今回の舞台では中京2歳Sを1分8秒4の2歳コースレコードで駆けている。
さらに同じ3歳世代が年長馬相手で実績を残していることも心強い。CBC賞をテイエムスパーダがJRAレコードで勝ち、ナムラクレアも函館スプリントSに優勝。さらにキーンランドCではウインマーベルが2着になったが、この馬には中京2歳Sで3馬身半差をつけている。
「ここでどういう競馬ができるのか。スピード負けするようなことはないと思います。レコードで走っている舞台だし、あの頃から成長していますからね」と村上助手は締めた。実りの秋、ジャングロが希望を胸に歩み始める。(増本隆一朗)
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