8月23日はサマーセールに参加してきました。お目当ては今年のプリンシパルSを勝ったセイウンハーデスの半弟にあたる「ハイノリッジ2021」(牡、父ミッキーアイル)。ウチに預託を予定している新規の馬主さんが競ったのですが、ぐんぐん値段が釣り上がっていって途中でギブアップ。最終的にはこの日一番の高値(3700万円、税抜き)になってしまいました。がっかりしながら美浦に戻ってきたのが21時過ぎで、追い切りのある翌日は2時半起き…。競馬と同じで競りも勝負の世界。負けるとどっと疲れが出てしまいます。
ただ、先週末はうれしい勝利がありました。21日の札幌3Rでマイネルキングが初V。初めてのダートで一変の走りを見せてくれました。そして、鞍上の丹内祐次騎手は節目のJRA通算400勝。私と同じ北海道出身ということでかわいがってきて、マイネルミラノでは2016年の函館記念を勝ってくれました。今年はすでにキャリア最多の45勝と充実ぶりが目立ちます。彼のいいところは、明るい性格のうえにとにかく競馬に行って懸命に乗ってくれる点。すぐに追うのをやめたり、敗因を馬のせいにしたりする若手騎手には見習ってほしいものです。そのあたりの真摯な姿勢が関係者から評価されて、昨今のブレークにつながっているのだと思います。36歳と中堅からベテランの域に差し掛かっていますが、GⅠでも大きな華を咲かせてほしいもの。私も陰ながら応援しています。
今週は27日の新潟5R(2歳新馬、芝1800メートル)でデビューを迎えるオールデイズに期待しています。育成段階から評判が良く、入厩後の調整も順調にこなしてきました。ウチの厩舎にいた半姉のリープフラウミルヒは福島牝馬Sで2着してくれましたし、父は皐月賞馬のディーマジェスティ。この条件はぴったりだと思います。初戦から恥ずかしくない競馬をしてくれるはずです。
■相沢 郁(あいざわ・いくお) 1959年6月19日生まれ。北海道出身。麻布大学獣医学部で獣医師免許を取得。98年に厩舎を開業。初年度からウメノファイバーが京王杯3歳Sを優勝し、翌年にオークス制覇。2012、13年にJRA賞優秀調教師賞を受賞。これまでにJRA重賞19勝をあげている。趣味はお酒。
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