3億円で落札されたラルケットの2022。新種牡馬サートゥルナーリアの期待度の高さが証明された(日本競走馬協会提供) 話題のニューカマーが早くも脚光を浴びた。新種牡馬サートゥルナーリア産駒「ラルケットの2022」(牡)の競りがリザーブ(最低)価格7000万円からスタートすると、すぐさまビットの応酬。マイルCS勝ち馬ステルヴィオ(父ロードカナロア)の半弟という良血馬は、3億円でハンマーが落とされた。
「お代(リザーブ価格)が高かったので、いい馬と評価されているのだと思いました。競り落とせてよかったです。走ってくれるといいね」
落札した金子真人氏(名義は金子真人ホールディングス㈱)が笑顔を見せた。初年度産駒の当歳競りでの3億円は、ディープインパクト産駒の2億2000万円などを上回る史上2位の高額だ。
父は無傷3連勝でホープフルSを制し、続く皐月賞を年明け初戦で優勝。その戦績はもちろん、血統背景も優秀で、母シーザリオは日米オークス馬。半兄エピファネイア(父シンボリクリスエス)、リオンディーズ(父キングカメハメハ)がともに種牡馬としても成功している。この血統を管理した角居勝彦元調教師も来場し、「すごいですね。シーザリオの血が評価されてうれしいです」と目を細めた。
生産者のノーザンファーム・吉田勝己代表も「産駒はすごく柔らかい馬が多いです。エピファネイア産駒に比べて、よりガッチリした感じがない。皐月賞を勝ったようにスピードも証明されているし、種牡馬として最高だと思います」と父としてのサートゥルナーリアを高く評価。その評判通りの上々の船出だったといえるだろう。
他にもセールの大トリで登場した「ミカリーニョの2022」(牡)が2億2000万円、近親に重賞好走馬が多数いる「カゼルタの2022」(牡)が1億4000万円と3頭が〝億超え〟を記録。次代を担う血が、3年後のクラシックで躍動する姿が目に浮かぶ。(千葉智春)
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◆サートゥルナーリアを現役時代に所有していた㈲キャロットファームの秋田博章代表 「すごい人気ですね。ただ、予想はしていました。父はボリュームがあり、(その父の)ロードカナロアというよりは(祖父の)キングカメハメハが出た感じでした。それは産駒にも受け継がれている印象です。日本馬のレベルは年々上がり、種牡馬としての能力も底上げされています。海外を目指す馬が出てきてほしいですね」