真っ白なアオラキが白毛の先輩ソダシと同じ函館芝1800メートルでデビュー。白毛伝説を継承する 函館の地で新たな白毛伝説が始まろうとしている。ゴールドシップ産駒初の白毛馬アオラキが、3日の函館芝1800メートルで初舞台を踏む。
白毛といえば、同じ函館でデビュー勝ちした〝純白のヒロイン〟ソダシを筆頭としたシラユキヒメ一族が有名だが、同馬はその系譜ではない。南半球産の白毛馬として注目を集めたカスタディーヴァの初子で、その母譲りの白毛の馬体は神秘的な雰囲気をまとっており、函館でもひときわ目立つオーラを放っている。
もちろん、注目すべきは見た目だけではない。函館入厩後は2週続けて池添騎手が稽古をつけた。29日には芝コースで一杯に追われた僚馬に遅れはしたものの、4ハロン52秒2―12秒3を馬なりでマーク。気合十分の動きを披露した。鞍上は「まだ体の芯が入っていない感じ。バネはあるけど柔らかすぎるくらいで、左右のハミに頼るところがあります」と課題もあるようだが、「動き的には態勢は整ったと思います。水準くらい動けていますし、先週より気も入ってきました」と初陣に向けて気配は上昇中だ。
献身的な手入れでアオラキを白く輝かせる担当の中川助手も、「1週前に追い切ってから多少ピリッとしてきましたが、レースに向けてはいい感じなのかもしれません。ゲートは何の問題もないです。他の馬なら全然わからない汚れでも白毛は目立ちますね。きれいな馬なので、きれいな状態で出してあげたいです」と意気込む。
母が未勝利戦を勝ち、父が新馬戦で第一歩を刻んだ函館で白星スタートなるか。大注目の一戦になること間違いなしだ。
◆シラユキヒメ一族とは違う系統 白毛は馬の毛色の一種で、ほぼ真っ白の馬。白い馬は芦毛もいるが、黒っぽい色が徐々に白くなっていくのに対して、白毛は生まれたときから白く、肌がピンク色をしているのが特徴。日本ではシラユキヒメの系統が有名で、この一族からソダシが出ている。またブチコやマーブルケーキのように、まだら模様に出る場合もある。
遺伝的に優性の場合、白毛からは白毛が生まれることが多く、現在、JRAの現役馬7頭いる白毛馬のうち、アオラキ以外の6頭がシラユキヒメの一族。アオラキの母カスタディーヴァは南半球産(ニュージーランド)の珍しい白毛馬で、シラユキヒメ一族とは違う白毛の系統が日本で繁栄するかもしれない。
◆馬名の意味 アオラキはニュージーランドのクック山の別名。マオリ語で「雲を貫く」という意味がある。
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