ファン投票で歴代最多19万票を集めたタイトルホルダー。栗田師は感謝と責任を胸に大一番に臨む 中央競馬の上半期を締めくくる宝塚記念が26日、阪神競馬場で行われる。天皇賞・春を圧勝したタイトルホルダー(牡4歳)が、ファン投票で19万票超の歴代最多の票を集めて出陣する。秋には凱旋門賞挑戦のプランもあり、管理する栗田徹調教師(44)=美浦=に3個目のGⅠタイトルへの手応えを聞いた。
――ファン投票で集めた19万1394票は1990年のオグリキャップを抜いて歴代トップ
「インターネットでも投票できるようになって、(はがき投票の)昔とは環境が違いますからね。多くの人に応援してもらっていることには感謝していますし、同時にすごく重圧や責任を感じています。最高の状態で送り出してあげないといけない。ただ、いつも通り馬に寄り添って調整していくことに変わりはありません」
――前走の天皇賞・春は7馬身差の圧勝
「ハナに行けば折り合いはつくと思っていましたし、道中もいいリズムで走れていました。直線では(落馬した)カラ馬の影響を心配しましたが、ジョッキーがうまく対応してくれました」
――その後は放牧を挟んで、1日に帰厩
「前走時は負荷をかけながら気持ちも抑えてなだめながらという感じでしたが、今回は整える感じです。正直、体も気持ちも天皇賞より上があるのかなと思っていましたが、具合はかなり良さそうですね」
――16日の1週前追い切りは横山和騎手がまたがって美浦Wコース6ハロン80秒9―11秒9
「競馬を想定したイメージで、前に馬を置いて、後ろの離れた位置にも馬がいて、プレッシャーを感じながらどういう折り合い、リズムで走れるかを見たかった。よく我慢していたし、安定していました。ジョッキーも『道中のコンタクトやタッチはすごくいい』と言ってくれました」
――同期のライバル、エフフォーリアとは4度目の対戦
「3回やって3回とも負けていますからね。どのくらい差を詰められるのか。今回は同じ先行馬もいて距離短縮で持ち味がそがれる部分はあると思いますが、いい結果を出したいですね」
――その同型のパンサラッサとの先行争いにも注目が集まる
「まずいのは一緒に(競って)大逃げになることや、逆に控えてスローの瞬発力勝負になること。それは避けたいと思います。ただ、そのあたりはジョッキーがペースを見ながら流動的に乗ってくれると思いますし、(逃げると)決め込むことが一番良くないと思います」
――秋には凱旋門賞(10月2日、パリロンシャン、GⅠ、芝2400メートル)への遠征プランも
「あくまで今回の結果次第で視野に入ってくると思いますが、前向きには考えています。秋に向けていい結果を出してほしいですね」
■栗田 徹(くりた・とおる) 1978(昭和53)年3月16日生まれ、44歳。千葉県出身。栗田博憲・元調教師は義父。調教助手を経て2011年に調教師免許を取得、開業。昨年、タイトルホルダーでの菊花賞でGI初勝利を挙げた。20日現在、JRA通算2756戦217勝。重賞はGI2勝を含む6勝。
◆ファン投票1位のV 今回で63回目になる宝塚記念。ファン投票1位で出走したのは40頭(1995年ライスシャワーは競走中止)で、その成績は【15・12・5・8】と、抜群の信頼性を誇る。特に勝った馬には3冠馬シンザン(65年)、天皇賞・春連覇のメジロマックイーン(93年)、無敗3冠のディープインパクト(2006年)、凱旋門賞2着もある3冠馬オルフェーヴル(12年)、GⅠ6勝のゴールドシップ(14年)など、そうそうたる名馬が名を連ねている。
◆史上4頭目の快挙へ 天皇賞・春を勝って同年の宝塚記念に出走した馬は34頭。そのうちタマモクロス(1988年)、イナリワン(89年)、テイエムオペラオー(2000年)など10頭が宝塚記念も制している。この中で3歳秋に菊花賞を勝ち、翌年の天皇賞・春と宝塚記念も勝ったのはビワハヤヒデ(94年)、ヒシミラクル(03年)、ディープインパクト(06年)の3頭だけ。タイトルホルダーが史上4頭目の快挙に挑む。
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