◎③アートハウス
▼鈴木亨(関東・想定班)
18頭で唯一、芝2000メートルでデビュー戦を迎え、2番手から軽く仕掛けると後続を突き放す圧勝劇。続くエリカ賞では息が入らないきつい形で6着に敗れたが、その後は重賞戦線をパスして成長を促した③アートハウス。桜花賞当日の忘れな草賞では、主戦の川田将騎手に手綱が戻り、改めて競馬を覚えさせることに主眼を置いた。道中は好位で折り合いに専念し、直線でも外を回さず馬の間に入れる形。人馬の呼吸が合致して、非凡な加速力で駆け抜けた。しかもノーステッキで。デビュー当初から〝オークス仕様〟にと調整してきた厩舎サイドの気持ちがひしひしと伝わってくる一戦だった。初めての多頭数となるが、すんなり位置を取れる好枠を引き当てた。臨戦過程を含め、伸びしろという点でもメンバー随一といえるのではないか。勝負馬券は馬単。
◎⑬パーソナルハイ
▼横山(関東・時計班)
今年の桜花賞は0秒3以内に10頭がひしめく大混戦で、力の差が明確になったわけではない。デビュー3戦目の中京芝2000メートルの未勝利戦を楽勝し、早くからオークスをターゲットにしていた⑬パーソナルハイ。希望の位置取りとはいえず、道中もまれながらも懸命に差を詰めた桜花賞6着は価値のある敗戦で、チークピーシズ着用の効果も十分だった。また前走のフローラSは序盤で他馬にからまれながらも2着を堅守。中距離適性と能力の高さを改めてしっかりと示した。馬場が回復した先週、日曜日の東京芝の上がり3ハロン最速馬の勝利はゼロ。ヴィクトリアマイルは好位から抜け出したソダシが勝ち、レシステンシアとローザノワールが3、4着に粘り込んだ。今の東京に突出した決め手は必要なく、スピード持続力型でも十分に勝ち負けになる。希望通りに単騎逃げがかない、持ち前の持続力とスタミナを生かせればチャンスはある。勝負馬券は3連単の1着固定。
◎⑮ピンハイ
▼仲(関西・想定班)
⑮ピンハイの新馬戦は人気薄ながら気配の良さで◎を打ったが、期待に応えてのV。続くチューリップ賞では約半年ぶりの重賞挑戦で、さすがに△にとどめていたが、内から目立つ末脚を繰り出してコンマ2秒差の2着まで押し上げ、桜花賞の出走権を獲得した。本番でも引き続き内の狭いところから脚を伸ばして着順こそ下げるも、着差は詰めてきた。
全てのレースで内の狭いところを苦にせずにグイグイと伸びてくるのが売り。人気にならないタイプだが、重賞2戦の内容から世代トップレベルの力を持っていることは間違いない。日本ダービー馬を母の父に持っている血統背景から距離をこなせる下地もあり、軽視していると痛い目に遭うぞとひそかに思っている。
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