先週1日の福島競馬4Rでヴィーヴァバッカスが障害馬デビューを果たしました。うちの厩舎としてはほぼ3年ぶりの障害レースへの参戦。準備の段階から伴啓太騎手につきっきりで調教をつけてもらい、飛越もずいぶんと上達したと鞍上も言ってくれていたので、自分としても期待を持って送り出しました。それがレースでは最初の障害でいきなり足踏み。練習ではうまく飛べていたのですが、トップスピードで飛ぶ経験が初めてだったせいか、勢いをつけられずに後方を追走する形になり、12着と馬群に沈みました。応援していただいた方にも、本当に申し訳ないことになってしまいましたが、自分としてもまるで想定外の結果でした。平地のレースでもそうそううまくいくとは限らないのが競馬ですが、障害レースほど調教師としてわからないものはないなと、改めて痛感させられました。幸い、馬の方はレース後も問題なく元気ですし、レース後半は飛越もスムーズだったので、こちらとしては長い目で見る必要を感じています。しかし難しい障害レース。王者として君臨し続けるオジュウチョウサンと、陣営には感服する限りです。では今週のおすすめを。新潟大賞典に出走するプレシャスブルーは前走も最速の上がり(3ハロン35秒9)で3着に食い込むなど、8歳でも衰えはありません。今回は得意の新潟で鞍上も手が合う勝浦騎手が引き続き乗ってくれます。一発狙えると思いますので、応援よろしくお願いします。
■相沢 郁(あいざわ・いくお) 1959年6月19日生まれ。北海道出身。麻布大学獣医学部で獣医師免許を取得。98年に厩舎を開業。初年度からウメノファイバーが京王杯3歳Sを優勝し、翌年にオークス制覇。2012、13年にJRA賞優秀調教師賞を受賞。これまでにJRA重賞19勝をあげている。趣味はお酒。
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