コラム

2018.2.21 05:00(1/2ページ)

【五輪を語る 産経新聞特別記者・佐野慎輔】小平の金メダルは五輪の価値を具現化した

特集:
小平奈緒
五輪を語る 産経新聞特別記者・佐野慎輔
18日のスピードスケート女子500メートルでお互いをたたえ合った小平(右)と李相花。国境を越えた友情物語も五輪ならではだ

18日のスピードスケート女子500メートルでお互いをたたえ合った小平(右)と李相花。国境を越えた友情物語も五輪ならではだ【拡大】

 政治に翻弄された平昌で長いオリンピック史に刻まれる物語が生まれた。

 スピードスケート女子500メートルで優勝した小平奈緒と2位、韓国・李相花との話である。

 あの日、先に走った小平は36秒94。オリンピック新記録を樹立、会場を沸かせた。日本からの応援団は喜びを爆発、大きな歓声をあげた。そのとき小平は口元に指を押し当てた。次に走る選手のため、静まってほしいとの願いである。

 李は次の組。2010年バンクーバー、14年ソチを連覇し、世界記録を持つ最大のライバルである。李は速いラップで飛びだした。しかし、わずかに0秒39、届かなかった。

 母国で3連覇を逃した李は太極旗を手にリンクをまわった。その背に、「イ・サンファ」コールが降り注ぐ。あふれる涙を隠さずリンクを1周した彼女を出迎え、抱きしめたのは小平である。背には日の丸。北朝鮮への対応や慰安婦像問題をめぐってギクシャクする日韓両国の旗が、寄り添いながら交じり合った。

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