2018.2.27 17:04

【高橋信之コラム】映画の著作権考察

【高橋信之コラム】

映画の著作権考察

特集:
高橋信之
1960年代といえばテレビのカラー化が進んだ時代、原色ケバケバのアメコミキャラに対して真っ黒な異様っぷり。

1960年代といえばテレビのカラー化が進んだ時代、原色ケバケバのアメコミキャラに対して真っ黒な異様っぷり。【拡大】

 映画に登場したアートワークの帰属についておもしろい記事がありました。

 『バットマン』は1939年にボブ・ケインとビル・フィンガーのふたりによって創作されいまなおDCコミックを支える有名キャラクターです。

 さらに戦時下と戦後にシリアル(連続活劇)や映画そしてテレビで何度も映像化され、バットマンと相棒ロビンの乗るクルマ「バットモービル」もコミックスから実写まで十数台が登場しています。

 さて、このバットマンカー(和名)ことバットモービルのデザインの著作権はどうなっているのでしょう?

 2年ほど前に長らく米国で続いていたひとつの裁判が結審しました。

 米国のカスタムカー工房がレプリカを販売していたテレビ版『バットマン』(1966年~1968年)に登場したバットモービルに「美術の著作物」としての裁定がなされ、それを著作者に無断で複製することは著作権法違反にあたるとした判決でした。

 米国では法人著作物の権利保護期間は公表後95年(ソニー・ボノ立法)なので、1966年公表のバットモービルの著作権(美術)は、2061年まで継続して翌年の2062年にパブリックドメインになる計算です。

 著作権には保護期間があり、それを超えた著作物は誰もが自由に使えるパブリックドメイン(公有知財)となります。

 特許の世界では、権利切れした発明はジェネリックと呼ばれています。ジェネリック医薬品とは特許権が切れたのでその分、安く製造できる医薬品ということですね。

 ということで米国では、カスタムカービルダーがバットモービルを自由に作れるには、まだ半世紀を待たなくてはなりません。

 対して日本や中国では(2018年時点の現行法下で)、公表後50年を経た2016年の翌年2017年からパブリックドメインになっている計算です。

 バットモービルの複製も可能ですし、このすてきなクルマに関わる外伝とかを好きに二次創作してもいいということです。

 『バットマン』の二次創作については、複雑な説明が必要なのでここでは省きます。

 バットマンカーの設計図を奪ったペンギンが、その性能を悪用した「怪鳥皇帝号」とかのスピンオフモデルを出すってのは、どう?

 とはいえ、「バットマン」「バットモービル」という商標はDCコミック(ワーナースタジオ)が押さえていますから、そのまんまの商品名でリリースすることはできません。

 「怪鳥人間号」「暗黒蝙蝠(こうもり)卿号」とかで、出せばいいことになります。

 いや、女性の活躍を願う現代に合わせて「バットガールモービル」の方がいいか!

 ■オートブログ(2016年3月記事)

http://jp.autoblog.com/2016/03/12/supreme-court-batmobile-dc-comics-report/

高橋 信之

「高橋 信之」イメージ画像スタジオ・ハードデラックス株式会社 代表取締役 東京国際アニメフェア実行委員 日本アニメーター・演出協会 応援団長 アニメ記者クラブ/アニメプレスセンター 起案者・理事「出版や広告、商品開発、映像メディアで活動するプロデューサー/プランナー。アニメ、SF映画、ビデオゲーム、玩具、デジタルデバイスなどを得意分野とし、多くの雑誌編集者やデザイナー、映画監督と交流する。

  • 動力源は原子力+ジェット駆動という暴れっぷり、そしてゴージャスなボディライン!
  • 公式ライセンスにもとづくレプリカは売価1000万円代から購入可能です。
  • エレガントにしてゴージャス、デラックスなデザインは世界のヒーローモービルに大きな影響を与えました。
  • 1966年版だけでもミニカーも数十種類がリリースされています。
  • バットガールと作戦会議中のバットマン、ロビン。キャットウーマンと同じくカラダのラインぴちぴちのスーツもイカしてた!
  • バットモービル(1966)のベースはリンカーンのコンセプトカー「フーチュラ」(1955)でした。
  • 少し間抜けなフロントグリルでしたが、センターピラーやボンネットの立体化でアクセントがついてます。