2018.1.29 13:52

【伊藤崇コラム】「声優になろう!」#019 濃度の範囲を広げて

【伊藤崇コラム】

「声優になろう!」#019 濃度の範囲を広げて

濃度の範囲を広げて

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 難しい役ってなんでしょうか?

 基本的に演劇といわれるものがスタートしてから、今に至るまで、さまざまなキャラクターが作られてきたわけですが、それなりに演じてこられたわけで、キャラとして、全部を新しく作るキャラクターなんて、ないと思うんですよね。

 それこそ、話のパターンとしてはシェークスピアを基本として、全てがその支流に位置してしまうような感じですよね。

てことは、前任者を基本として、基本的に現時点においては、全てのキャラを演じていく上で、演じられないということは物理的にないと、考えられるわけです。(もちろん、演じる側の限界はあるとして)

 では、なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか?

 まずは、演出側がその役について説明できていないという現実があります。仮に膨大な資料を渡したとしても、役作りをした役者に対して、適切な修正ができない。

 演じる側としては単純にスキルがない。膨大な資料を渡したとしても、それを読みとる能力がない。あげていけばきりがないのですが、とにかく、行き違いみたいなものは良くあることです。

 まあ、お互いに意図的というのも多いのですが・・・。

 何が言いたいかと言うと、実は言葉って不自由な気がするんです。日本語って、意外と形容詞が多いと思うのですが、どうも尺度って、なかなか伝わらないような気がしませんか?

 良く言うんですけど、赤って色は共通認識のための言語、共通認識のための表示機能物にすぎないわけで、他人の脳をのぞいてみたら、私の認識の青だったなんてこともあり得るかもしれないでしょ。

 たとえば、1を9と表示しても良いんですよ。法則が一定であるならば。9+9=8で良いんです。それこそ、ルールがそれでいいならば。

ただ、仮に他人も自分も赤は赤と認識ができていても、

その濃度はどうか、ということです。

年齢的な目と言う、レンズの性能の違い、もっと科学的に言うと

地球上でどこに住んでいるかで、太陽光の注ぎ方が違うため、同じ色でも(濃度でも)見え方が違うんですよね。

 個人個人の感覚って違うとういう前提でやっていかないと苦しくなってしまうです。特に役者は役を作り上げるうえでは最初は受け手なわけです。だから、濃度の範囲を広げておかないとつらいですよね。

 私が濃度70と思っても、相手の役者にとっては濃度110で、許容範囲を超えているとか。とにかく、濃度の許容範囲を広げておいてください。

 ベテランさんになると、とある役を追求していくことが多いのですが、これは、これ、という役を見つけ、突き詰めていくとういう、役者としての最後の作業に入っていくようなことで、これはこれで、素晴らしいことです。

 ただ、これからの人は、その作業に入れる役者になるためにも、許容範囲を広げておいてください。そうすれば、いろんな意味で最終的に良い役者になれると思います。

伊藤崇

「伊藤 崇」イメージ画像(いとう・たかし) 某大手印刷会社にて、アートディレクターとして活躍後、アニメ業界に転職。プロデューサーとして、(株)アクタス(株)セブンアークスで活躍し、現在、スタジオ藍丸で活動している一方で、有名漫画家の個展企画やIMTACで声優養成所講師として活動している。声優ワークショップOTTIの主催者 HP:(http://aska.gr.jp/otti/