2018.1.10 16:16

【上村彩子コラム】アニメの収録のお話し

【上村彩子コラム】

アニメの収録のお話し

特集:
上村彩子
アニメの収録のお話し

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 明けましておめでとうございます! 上村彩子です。

 この前知り合いの人からアニメの収録の流れについて聞かれたのですが、そういえばあまりお話ししたことなかったなーと思いまして、せっかくなので新年1回目はアニメの収録についてお話ししようと思います☆

 まず収録までのお話ですが、台本とV(DVD)がもらえるのは収録の2、3日前。 レギュラー作品の場合は、前週のアフレコ現場で翌週の台本がもらえる場合もあります。

 その後、台本の流れを把握して、Vを見ながらタイムをチェックして、セリフのスピード感や表情を確認して練習します。 このとき、アドリブやガヤが入りそうなシーンをチェックしたりもします。

 ガヤとは、教室のシーンやパーティーシーンなど、多数の人がいる空間を演じること。 もちろん明るいシーンだけではなく、ザワザワ……(動揺)とか、キャーーー!(逃げ惑う人々)というようなシーンもあります。 台本にセリフは書かれていないので、自分なりにこのシーンに合うと思う言葉を考えます。

 アドリブは、ギャグアニメだと台本に書かれていないセリフをオリジナルで足したりする場合もありますが、だいたいは「ん?」「え?」というような“気づきの声”などを指すことが多いです。 Vを見ると、他のキャラクターが話しているときに自分のキャラクターが反応していたりすることがあったりするので、その場合は「ん?」「へぇ~」などのアドリブを入れたりします。

 家での練習では、ガヤやアドリブのように、自分のセリフ以外にもチェックすることが大切。 さらにVの段階では絵コンテと呼ばれる線画の状態で表情がわかりにくいこともあるので、練習で固めすぎず、何パターンか演技の方向性を用意しておいて、臨機応変に変えられるようにしておいたりもします。

 それでは収録当日のお話へ。

 収録開始時間になると、音響監督さんがスタジオにきて収録内容の説明をしてくれます。 例えばセリフの変更や確認事項があったり、質問がある人はこのとき音響さんに相談したりとか。

 その後はこのような流れです。

 テスト

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 ラストテスト(ない現場もある)

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 本番

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 別録り&リテイク

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 ガヤ録り

 30分アニメでは前半をAパート、後半をBパートと言い、Aパートを上記の流れで録り終えた後にBパートを同じ流れで録ります。 合間にディレクションが入り、演技の方向性の修正などをしていきます。

 ちなみに別録りとは、同じシーンで声が重なる場合に使用されます。 例えば、主人公とヒロインが話している後ろで、女子高生2人が会話をしながら通り過ぎるシーンがあった場合、主人公とヒロインのセリフを本線(本番)で入れて、女子高生2人の会話は別線(別録り)にする、というようにバラバラで録ります。

 1話のアフレコはだいたい4時間前後。

 こんな感じの流れでアフレコは進んでいます。 なんとなーくお分かりいただけたでしょうか?

 アフレコは、アニメ制作のほんの一部。 1話を作り上げるって、本当に沢山の人と時間が必要なんですよね。 でも、沢山の人が関わっているからこそエネルギッシュな空気が生まれる場所でもあります。 現場の熱量や思いが届きますように。

 それではまた次回♪ どろん♪

上村 彩子

「上村 彩子」イメージ画像猫とチョコレートが好きな声優・タレント。出演作は「惡の華」(木下亜衣役)や「乙女ぶれいくっ!」(早乙女乙芽役)、「機動戦士ガンダム戦場の絆 第07板倉小隊」や「野球がぁる」(共に顔出し)など。最近では、振り付けやゲーム制作にも関わり、様々な仕事を行っている。今回コラム初挑戦。