【上坂すみれコラム】
山田五郎(右)とトークショーを行った上坂すみれ(左)=大手町のサンケイプラザ(撮影・今野顕)【拡大】
愛知県の渥美半島には浦島太郎の子孫っていう人がいて、普通の町役場の公務員をやっておられたそうです。浦島太郎は亀を助けた優しい人だから、それが受け継がれているのだと思います。弱きものを助けるって公務員はそうあるべきだということですね。
それと面白かったのは天正少年使節。山田さんは、ペトロ岐部が好きだとおっしゃっていました。ペトロ岐部は、日本でキリシタンが禁止されたので、マカオに逃げて神学校で勉強していたのですが、日本人を司祭にしてほしいとローマまで訴えに行った人だそうです。インドのゴアまでは船で行って、そこからエルサレム経由で歩いてローマまで行ったそうです。
マカオからローマのイエズス会には、「岐部っていう変なやつが行くけど話を聞くな」っていう手紙が回っていたのですが、当時、ローマ法王もエルサレムに巡礼していないのに、キリスト教徒が一人でイスラム圏の中をエルサレムを通って、ローマまで歩いて来た。だから、リスペクトされちゃって、結局、司祭になったそうです。「出禁になったらもうスタッフになるしかない」ってすごいですね。そのガッツは見習いたいですね。
天正少年使節では、名前がジュリアンっていうだけで中浦ジュリアンが女子に人気なのだそうですが、正使は伊東マンショだったそうです。マンショっていう名前のせいで人気はないけど、でも山田さんがおっしゃるには、一番の美少年だったので正使になったそうです。出世に顔が関係するのは切ないですね。