2021.4.22 12:00

【ベテラン記者コラム(136)】ジャンボ尾崎のエージシュート、松山英樹に感謝

【ベテラン記者コラム(136)】

ジャンボ尾崎のエージシュート、松山英樹に感謝

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つるやオープンの表彰式で優勝した松山英樹(右)と尾崎将司

つるやオープンの表彰式で優勝した松山英樹(右)と尾崎将司【拡大】

 男子ゴルフの松山英樹が「マスターズ・トーナメント」で優勝し、日本の男子では初めて海外メジャーを制した。日本勢のマスターズ初挑戦は1936年(第3回大会)の陳清水と戸田藤一郎。それから85年後の快挙だった。

 唐突だが、松山には感謝している。いつもは何かと話題の多い女子をメインに取材している。だが、2011年に当時大学生だった松山が「三井住友VISA太平洋マスターズ」でアマチュア優勝してからは事情が変わった。07年に15歳で勝った石川遼ほどの騒ぎではなかったが、スター候補生の誕生。プロ転向した13年は男子の取材に行くことも増えた。

 大器は周囲の期待通りに即結果も出した。デビュー2戦目だった4月に兵庫・山の原GCで行われた「つるやオープン」でプロ初優勝。ただ、この大会で、より強烈なインパクトを残したのは66歳の尾崎将司だった。

 第1ラウンドに年齢以下のスコアで回るエージシュートを達成した。1イーグル、9バーディー、2ボギーの62。1973年のツアー制度施行から41年目で初となるレギュラーツアーでの快挙で、9年ぶりに首位にも立った。

 あの日は午後12時10分のアウトスタート。午前8時スタートの松山のフルマークが終わり、インに入ったばかりの尾崎を追いかけた。そして、見ることができた。快挙を揺るぎないものにした17番(パー5)のイーグル。ついに“あれ”が飛び出した。

 全盛時に何度も披露した右こぶしをくいっと曲げるコブラポーズ。前年は持病の腰痛にも悩まされ、22試合出場ですべて予選落ち。もう二度と見ることはできないと思っていたお得意のポーズに胸が高まった。

 「きょうは怖いくらいのスコアが出る予感があったんだよ。今年は話題を提供すると言っただろう。コブラは自然と出たな。昔は狙ってやっていたけどね。あのホールはすべてが完ぺきだった」

 狙ってやっていたという昔はカメラマンの位置を頭に入れていた。だが、あのときはカメラマンに背を向けてのコブラ。「最近は若手がレベルアップしてきたけど、ここにジャンボありを見せておかないといけないからな」。ジャンボさんも興奮していた。

 その週の女子の試合はサンスポなどが主催する「フジサンケイレディスクラシック」。快挙の瞬間に立ち会えたのは、間違いなく松山のおかげだった。ジャンボさんは途中棄権した2019年11月の「ダンロップフェニックス」を最後にツアーから遠ざかっている。74歳での復帰は難しいかもしれないが、またプレーする姿を見られることを信じている。(臼杵孝志)