2021.3.25 12:37

【ベテラン記者コラム(124)】堀奈津佳が3年ぶりに予選通過、切れ味戻ったショットでもう一度輝け

【ベテラン記者コラム(124)】

堀奈津佳が3年ぶりに予選通過、切れ味戻ったショットでもう一度輝け

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 3月12日から3日間、高知・土佐CCで開催された女子ゴルフの国内ツアー「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ」で28歳の堀奈津佳が23位に入った。実に3年ぶりの予選を通過だったが、3年前の2018年も3年ぶりの予選通過。若年化が進む女子ツアーにあって、これはもう“快挙”といっていい出来事だと思っている。

 コロナ禍で2020年と21年が統合された今季のシード選手の平均年齢は26・3歳(19年12月31日時点)。黄金世代と呼ばれる1998年度生まれの選手が11人を占め、史上最年少だった前年の26・4歳をさらに更新した。賞金ランキング50位以内(永久シード選手らを除く)に与えられる賞金シード選手の平均年齢が初めて30歳を切ったのは06年の29・5歳。21世紀になった20年前の01年は32・2歳だったが、この年に生まれた笹生優花が今季は既に2勝を挙げて賞金女王候補の一人となっている。

 少しでもスランプに陥り、シードを喪失すれば職場であるツアーの出場権を失う。次から次に若い芽が出てきて花を咲かせる女子ゴルフ界の中で、過去のポジションを奪い返すのは極めて難しい時代となった。

 堀はプロ3年目の13年に2勝を挙げ、賞金ランキング10位に躍進した。2勝した当時は20歳。次代のエース候補として注目されたが、14年は賞金ランキング44位、15年のシード喪失後は、主催者推薦などで出場しても予選を通過できない日々が続き、試合に出られる機会も激減していった。

 日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチームにも選ばれ、ジュニア時代からアンダーパーで回るのが当たり前だったプロが80を打っていた。屈辱だっただろう。ドライバーショットがとにかくブレまくった。OBは日常茶飯事でダブルボギー、トリプルボギーの連続。原因は不明で、今まで良かったものも負の連鎖でおかしくなってきた。「またやっちゃいました」と笑顔で話す姿が痛々しかった。

 14年にはサンスポのゴルフ面で週1回掲載の連載で堀のツアーを追った。思い入れのある選手だけに、復活を願っていたが、今年7月で29歳となるプロ11年目。正直にいえばもう限界だとも思っていた。

 だが、高知で見た堀のショットには、かつての切れ味が戻っていた。「自信を持って振れるようになった」と話す笑顔も本物だった。次も同じようなゴルフができる保障はどこにもないが、時代の流れにあらがい続ける“なっちゃん”に輝く日が戻ってくると信じたい。(臼杵孝志)