2020.9.26 12:00

【ネクストスター候補(21)】六車日那乃、プロテスト延期も前向き「“まだまだ”だと思っていた」/ゴルフ

【ネクストスター候補(21)】

六車日那乃、プロテスト延期も前向き「“まだまだ”だと思っていた」/ゴルフ

特集:
記者コラム
ネクストスター候補
第51回デサントレディース東海クラシック1日目、2H、ティーショットを放つ六車日那乃=新南愛知CC美浜コース(撮影・林俊志)

第51回デサントレディース東海クラシック1日目、2H、ティーショットを放つ六車日那乃=新南愛知CC美浜コース(撮影・林俊志)【拡大】

 女子ゴルフで2018年「全日本サンスポ女子アマ選手権」覇者のアマチュア、六車(むぐるま)日那乃(18)=千葉・麗沢高3年。今季レギュラーツアー3戦に出場して優勝争いに絡むなど、一躍注目を集めている。期待の18歳がこのほど取材に応じ、躍進の秘密とコロナ禍で延期が決まったプロテストに向けた思いを語った。(取材構成・川並温美)

 今春、新型コロナウイルスの影響でプロテストが来年3月以降に延期されることが決まった。高校3年の六車も、今年受験予定だった一人。それでも、延期を前向きにとらえていた。

 「(延期になって)すごくラッキーだなと思う。余力をもって(テストを)通れるのかと考えると、“まだまだ”だと思っていた」

 千葉・麗沢高に通う18歳。同校は吉田優利(エプソン)らを輩出した強豪校だが、部活動には参加せずに3年間、個人で鍛錬した。

 埼玉の実家から学校まで片道1時間半。帰宅するのは午後6時頃で、ストレッチをしてから近所の練習場へ行く。「帰りも練習が終わるのも遅くて、朝も早くて大変だった」。苦労しながらも、今年1月にはナショナルチームに加わるまでになった。

 3月。新型コロナウイルス感染拡大を受けて緊急事態宣言が発令された。高校は6月まで休校。アマチュアの大会も中止が続いた。ナショナルチームの指導を通じてトレーニングの重要さを痛感していた六車は自粛期間中、毎朝8時から10時半まで自宅で体を鍛えた。懸垂や腕立てなど自重トレーニングに加えて、「8キロのケトルベルが2個あったので、それでベンチプレスみたいなのをやった」。その結果「体重も3キロくらい増えた。上半身が前より分厚くなり、飛距離も15ヤードは伸びた」と明かす。

 19年4月に「フジサンケイレディスクラシック」(92位で予選落ち)でレギュラーツアー初出場。今季は早くも3試合に出場し、8月の「NEC軽井沢72」は34位でローアマチュア。同月の「ニトリレディス」の予選ラウンドでは、憧れの鈴木愛(セールスフォース)と同組となった。練習ラウンドもともにしたといい、「自分の癖を知りながら、その癖が出た時を想定してプレーするとおっしゃっていたので勉強になった」。アドバイスを糧に、3日目を終えて3位につけて最終日最終組で回る(結果は19位)など飛躍を遂げた。

 高校生活もあと半年を切った。進学など今後の予定は決まっていないが、「毎日ゴルフができる環境が十分に備わっていたら」とゴルフ最優先。「全試合で続けられるような体力を持って、いつでも上位にいるようなちょっと恐い存在になっていたい」と将来を思い描いた。

 「賞金女王もなってみたい。2028年までに五輪に出られたらいい」。伸び盛りのアマチュアは夢と希望に胸を膨らませた。

 【一問一答】

 --高校生活で楽しいことは

 「通学。親友といつも行き帰りをともにするのがすごく楽しい」

 --高校生活最後の1年でアマの大会も中止が続いた

 「残念。大会を開催してもらえることが当たり前ではないと思えたので、もっと試合を大事にしたい」

 --自粛期間中のトレーニングは

 「飛距離を伸ばしたかった。知り合いから、(米男子ツアーの)デシャンボーさんは毎日のようにトレーニングしてすごく飛距離を伸ばしたと聞いたので、やはりトレーニングを積み重ねないといけないと思った」

 --飛距離は

 「以前はキャリー198ヤードでラン入れて210から220ヤード弱だった。今はキャリー220ヤード弱、ランを入れて230、240ヤードくらいです」

 --プロツアーをこれまで9戦経験した。意識は変わったか

 「去年までは優勝などが遠く感じていた。今年の軽井沢(『NEC軽井沢72』)でバーディーは取れているけれどボギーも打っていて、もしそのボギーがパーだったら上位争いできたんだと思い、自分の可能性を感じることができた」

 --『ニトリレディス』では鈴木愛と同組になった

 「1日目回る前、すごく緊張した。愛さんのパットの繊細さにびっくりしたし、練習のすごさがプレーで伝わってきた」

 --『ニトリ』では最終日最終組も経験

 「愛さんと回るより全然緊張がなくて、いつもの試合の感じでできた」

 --開催時期は決まっていないが、次のプロテストでの目標は

 「1位通過してみたいというのはあるが、通過すればいいかなという気持ちもある。とりあえず、ひやひやしないような位置で通過したい」

 六車は中学3年時から、中嶋常幸主宰の「トミーアカデミー」でも学んでいる。3カ月に1度のペースで開催される合宿にも参加。今夏の合宿では5番アイアン1本でラウンドしたといい、「フルショットする以外にも方法があるんだ。1本のクラブでいろいろな距離を打たないといけないので、攻め方や球筋も違う。想像力が豊かになるのでは」と効果を実感していた。

六車 日那乃(むぐるま・ひなの)

2002(平成14)年4月23日生まれ、18歳。埼玉県出身。8歳でゴルフを始める。17年「関東ジュニア選手権(女子12-14歳の部)」「関東中学校選手権(夏季大会)」で優勝。18年「関東高校選手権」で2位、「全日本サンスポ女子アマ選手権」で優勝。19年「フジサンケイレディスクラシック」は92位で予選落ち。同年の「全国高校選手権」で2位。得意クラブはパター。154センチ、55キロ。