2020.9.24 12:00

【ベテラン記者コラム(47)】横峯さくら、結婚に出産と書けなかったがめでたい

【ベテラン記者コラム(47)】

横峯さくら、結婚に出産と書けなかったがめでたい

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 女子ゴルフの横峯さくらが先日、第1子の妊娠を発表した。出産予定日は来年2月下旬。8月の「ニトリレディス」は体調不良で初日のスタート前に欠場したが、そのとき、ふと思った「妊娠かな?」が本当になった。

 ツアー通算23勝、2009年賞金女王の実績は説明不要だろう。だが、天才肌のゴルファーは驚くほどゴルフ用語の基礎知識には疎かった。

 「Pです。ピッチングウエッジ? いえ違います。ピンクのPです」

 ある試合で使用クラブを尋ねると「P」と答えた。PW(ピッチングウエッジ)かと確認すると、グリップがピンク色のPWのことだった。当時はロフト角の違うPWを2本使っていた。それをピンクのP、飛ばないPと使い分けていた。話がかみ合うはずもない。

 「ライ角ってなんですか?」

 クラブのヘッドを地面につけたときに地面とシャフトの間にできる角度をライ角というが、これを知らなかった。

 「フェードでしたっけ? 球が右に曲がる。スライス? あれっ?」

 基本中の基本も知らなくても、調整されたクラブは一度振っただけで見分けた。言葉で説明されてもチンプンカンプンだろうが、感覚で理解する。クラフトマンが「手抜きは一切できない」という感性のゴルファーの子育て…。楽しみであり、ちょっとだけ心配だ。失礼。

 横峯は14年に自身のメンタルトレーナーだった森川陽太郎さんと結婚した。以来、日米ツアーを二人三脚で戦っている。発表したのは「フジサンケイレディス」開催週の4月22日。実はこのときも「妊娠かな」と思い、同時に臍(ほぞ)を噛んだ。

 その前週の「KKT杯バンテリンレディス」は初日の9ホール終了後、体調不良のため棄権した。04年のプロデビュー後、ラウンド中の棄権は通算284試合目で初めて。当時28歳。「30歳までには結婚して引退する」が口癖だけに、取ってつけたような欠場理由に心はざわついた。

 しかも、その前日にはゴルフ場の駐車場で横峯と偶然会い、「そろそろ結婚は?」「まだ全然ですよ」で立ち話は終わっていた。それが1週間後に結婚発表。おとぼけにすっかりだまされた。

 今度も近くにいながらニュースを書けなかったが、実にめでたい。国内ツアーで出産後に優勝したのは5人で、01年の塩谷育代が最後。今後も現役を続ける横峯に6人目の“ママでもV”を期待する。(臼杵孝志)