2020.9.10 12:00

【ベテラン記者コラム(41)】“ギャルファー”金田久美子、実は心配性で寂しがり屋

【ベテラン記者コラム(41)】

“ギャルファー”金田久美子、実は心配性で寂しがり屋

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金田久美子

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 ゴルフの世界では「1勝目より2勝目の方が難しい」と言われる。実際にこれまで何度もそう書いてきた。でも、データを取ったことはない。いい加減である。反省の意味も込めて調べてみた。

 国内女子ゴルフは1988年にツアー制度が施行されて今年で33年目。昨年まで1140試合が行われたが、1勝止まりの選手は208人いた。プロゴルファーはあまたいるが、賞金だけで生活できるプロはひと握り。1勝するだけでも大したものだが、やはり2勝目の壁は高い。

 コロナ禍で開幕が大幅に遅れた2020年シーズン。通算1044試合目となった先週の「ゴルフ5レディス」で小祝さくら(22)が2勝目を挙げた。これで1勝のみは207人。すでに一線を退いた選手もいるが、今も戦っている者もいる。その中に気になる選手がいる。かつて天才少女と呼ばれた金田久美子(31)だ。

 茶髪に、キラキラネイル、へそ出し、へそピアスなどなどの過激なファッション。ギャルとゴルファーを組み合わせた“ギャルファー”の代名詞的な選手として、アマチュア時代から注目を集めたが、その外見にアレルギー反応を起こす人も多かった。

 しかし、人を見た目で判断してはいけない。自由奔放と思われがちだが、実際は心配性で寂しがり屋。小学生のころから試合で学校を休むことが多かったが、海外の試合から帰国するときは、いつも色鉛筆など文房具のおみやげを買ってきた。「使うときに自分のことを思い出してくれる。久美を忘れないで」。そんな思いを込めて友達に渡していた。

 天然な性格も実にかわいらしい。「四捨五入したら50歳。もう若くない」と真顔で話していたころから、メイクもファッションも随分おとなしくなった。ただ、同時にゴルフの方も落ち着いてしまった。プロ3年目の2011年に「フジサンケイレディスクラシック」で初優勝をしたが、その後は下降線。タイガー・ウッズと並ぶ8歳で世界ジュニア選手権(10歳以下の部)を制した天才も31歳。17年を最後にシードも失い、今季はまだ1試合にしか出場できていない。

 プロテストに失敗し、泣きじゃくっていた2008年から彼女を見てきた。以前は「やめたい」と言っていたゴルフを今も続けている。伝えたいドラマは山ほどある。優勝原稿を書きたい。207人の中に埋もれるな。(臼杵孝志)