2019.8.6 05:01

【記者の目】渋野日向子、笑顔の原点は「怒り」

【記者の目】

渋野日向子、笑顔の原点は「怒り」

特集:
渋野日向子
父の悟さんと記念撮影する渋野 (共同)

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 あんな楽しそうな優勝争いは見たことがない。「海外に行くのは2度目。パスポートを久しぶりに使えてうれしい」とはしゃいでいた、初の海外メジャー。おいおい、緊張感はないのか。真夜中の日本で手に汗を握ってテレビを見ていた自分がアホらしくなった。

 カメラ目線のもぐもぐタイム、ホール間の移動時のハイタッチ…。そして、こっちまで幸せな気持ちになれる屈託のない笑顔。渋野は国内ツアー以上に大舞台でゴルフを楽しんでいた。

 意外かもしれないが、あのプレースタイルは「怒り」が原点になっている。父・悟さんがこんなことを言っていた。「昔はパットを外したらよく怒っていたんですよ」。ミスにいらつき、ミスを重ねる。そこから学んだのが笑顔だった。

 もちろん笑っていれば勝てるわけではない。誰もが認める練習の虫。練習グリーンに遅くまで残っている姿は何度も見た。自分に課したドリルが終わるまでは絶対にやめない。雨が降っても、暗くなっても。「泣きそうになる」と話していたこともあるが、その顔は笑っていた。幼いころの夢は、仮面ライダーになること。笑顔を武器に、鮮やかに変身を遂げた。(ゴルフ担当・臼杵孝志)