2021.5.21 05:00

藤岡弘、の長女・天翔愛、愛情表現が分からず「お父さんを触って免疫をつけました」 21日開幕「ロミオ&ジュリエット」で舞台デビュー

藤岡弘、の長女・天翔愛、愛情表現が分からず「お父さんを触って免疫をつけました」 21日開幕「ロミオ&ジュリエット」で舞台デビュー

父を相手に繊細な愛情表現を培った天翔。記者のお願いでロミオに扮した藤岡は「娘なのにドギマギするなぁ」と照れまくり=東京都内(撮影・戸加里真司)

父を相手に繊細な愛情表現を培った天翔。記者のお願いでロミオに扮した藤岡は「娘なのにドギマギするなぁ」と照れまくり=東京都内(撮影・戸加里真司)【拡大】

その他の写真(1/3枚)

 ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」(東京・TBS赤坂ACTシアター)のヒロイン役で女優デビューを飾る俳優、藤岡弘、(75)の長女、天翔愛(19)が21日の開幕前に取材に応じ、意気込みを語った。劇中では“密着シーン”が欠かせないが、藤岡家ではキスシーンを見ることすら禁止されていたため、愛情表現が分からず悩んでいたことを告白。藤岡をロミオ役に見立てて練習を重ねていたといい、「お父さんを触って免疫をつけました」と笑顔で感謝した。

■「私が一番大好きな作品」

 世界的名作で天高く飛翔しようとする新進女優に、思わぬ“壁”が立ちはだかっていた。

 「私が一番大好きな作品を、ジュリエットとして生きて届けれることがうれしいです」

 稽古前に東京都内の自宅で取材に応じ、未知の世界に飛び込むことに胸を躍らせる天翔。頼もしくなった4人きょうだいの長女の姿を隣で見つめる藤岡は「成長の過程が見えるんですよね。最初は心配していましたがどんどん意識が変わって、表情も締まってきた。本番が楽しみです」と目を細めた。

■困難極めた愛情表現

 幼少期から父の薫陶を受けてきた天翔は、高校時代に自主制作映画の全国コンクールで最優秀女子演技賞を受賞し、現在は音大で歌などを学んでいる注目株。中学の頃に宝塚版を見て憧れた“ロミジュリ”でのデビューに「なんて私は幸せなんだろう」と感謝する。

 今作では女優、伊原六花(21)とのダブルキャストでジュリエット役を担当。自身の初日となる22日に向けて稽古に励んで数々の壁を乗り越えてきたが、中でも「壁中の壁」と困難を極めたのが、ラブストーリーの根幹である愛情表現だ。

■「手を取っただけで緊張」

 ロミオとのキスシーンなど“密着”が欠かせないが、踊るシーンでは「手を取っただけで緊張して振りが飛んでしまって、顔がフリーズしているよ、と言われてしまいました」と告白。演出家からも「愛している素振りが見えない」と何度も注意を受けたという。

 その原因が藤岡家で長く発出されている“キスシーン鑑賞禁止令”だ。映画などで流れると藤岡が得意の居合斬りのごとく電源を切っていたといい、「僕のせいだね」と渋い声で反省。「この仕事では避けては通れないものだけど、まだ早いと思って見せないようにしていたのにこんな形になるとは…」と苦笑した。

■娘の悩み知りロミオに変身

 演技への危機感を覚えた娘から「ロミオになって」と頼まれた藤岡は、娘の悩みを知ってロミオに変身。かなり年上の“藤岡ロミオ”の肩に頭を乗せるなど特訓を重ねた天翔は「お父さんを触って免疫を付けて、克服しました」とはにかんだ。

 愛情表現だけでなく、厳しい演技指導も受けた。藤岡から「おれが真剣に話しているのに、お前は集中していない。だからできないんだ」と指摘された際は、本気で向き合ってくれている姿に涙を流したという。

 その翌日からは天翔の演技が一変。周囲から「殻を破ったね」と初めてほめられ、「お父さんは日頃から『真剣に生きろ』と言っているのですが、真剣にやれば伝わるんだと初めて実感しました」と感謝した。

 家族愛に支えられ、初々しいジュリエットは初舞台のバルコニーでロミオへの愛を熱演する。

★娘の涙に感動「親子の心情の機微が発見」

 役者の大先輩でもある藤岡は、娘が泣いた日を振り返り、「必死になって頑張ろうとしている子供の思いに寄り添えたなと。今までなかった親子の心情の機微が発見できました」と感動。劇場にも駆けつける予定で、「彼女が持っている迷いやけなげさはジュリエットそのものだと思う。技巧的なものは持っていないけど、素直で純粋な部分をぶつけていけば感動を与えられるんじゃないかな。何事もいざ追い込まれたとき強い。僕も本番に強いからDNAかな」と期待した。

ロミオ&ジュリエット

 シェークスピアの名作をアレンジした舞台で、2001年にフランスで初演された人気作。日本ではミュージカル界を牽引する演出家、小池修一郎氏の手によって10年に宝塚歌劇団が初演。11、13、17、19年には小池氏演出の日本オリジナル版が大ヒットした。日本版誕生から10周年の今回、ロミオ役は黒羽麻璃央(27)と甲斐翔真(23)が演じる。