2021.3.15 11:00

【40代からの毎日を応援する大人くらぶ】歩いてみよう 春の北陸 紅白 食合戦

【40代からの毎日を応援する大人くらぶ】

歩いてみよう 春の北陸 紅白 食合戦

特集:
40代からの毎日を応援する大人くらぶ

獲れたて海の幸を満喫!!体験メニューで伝統に触れる

 春。北陸は今月末までズワイガニ漁がさかんだ。また、富山湾のベニズワイガニは「高志(こし)の紅(あか)ガニ」のブランドで知られ、こちらは5月末まで楽しめる。そして、4月の到来とともに、「富山湾の宝石」と称されるシロエビ漁が始まる。透き通った真っ白な身と上品ながら濃厚な味は、まさに“宝石級”だ。一方、歴史と伝統のある北陸は、漆、金箔、刃物と日本文化の粋に触れる体験ができるのも魅力。蜃気楼で知られる富山県魚津市の「埋没林博物館」や東京から金沢市に移転した「国立工芸館」など、伝統の技を見るのも楽しい。

「一番おいしい」ゆでたてを 高志の紅ガニ/濃厚な味「富山湾の宝石」シロエビ

新湊漁港から直送で鮮度抜群

 食通うなる味わい

 北陸の味覚の王者、ズワイガニ。3月末まで水揚げされ、獲れる地域によってブランド化されているものも多い。

 例えば、福井県の「越前ガニ」、石川県の「加能(かの)ガニ」。富山県のベニズワイガニ「高志(こし)の紅(あか)ガニ」など、いずれも食通をうならせる美味として有名だ。

 「高志の紅ガニ」が揚がる富山県射水市の新湊漁港は、漁場に近いことから、早朝のセリに加えて全国的にも珍しい昼セリが行われている。新湊港の新湊漁業協同組合参事、西本邦郎さんは、「目の前の富山湾でとれるので、鮮度は抜群。漁船は夜の12時に出港して、午前中まで漁をし、午後1時ごろからセリにかけます」。

新湊漁港のカニ市場

 産地で食べる贅沢

 カニ漁は、富山発祥の「かに籠なわ漁」という漁法を用い、1つ1・5メートルほどの「カニかご」をロープにいくつも連ねて沈め、入ってきたカニを獲るので傷みの少ない良い状態で水揚げされる。本ズワイガニの漁期は3月末までだが、ベニズワイガニは5月までで、これからも楽しめる。

 西本さんによれば「我々が一番おいしいと思うのは取れたものをすぐゆでて食べること。市場や町のお店、観光施設などで食べられますよ」。

 一方、4月1日からは、「富山湾の宝石」と言われるシロエビ漁が解禁になる。シロエビは、全国でも漁業として成立しているのは、富山湾の庄川、神通川河口部の水深100メートル以深の海域だけで、西本さんは「体長5~8センチで薄いピンク色のシロエビは、光に照らされるとキラキラ光り、本当に宝石という感じ。一時は漁獲量が減少して心配されたのですが、新湊では、この10年ほど、資源保護のためプール制という漁獲方式を採用。年間200トンと安定しています」という。プール制とは、8隻あるシロエビ船を2班に分けて1日交代で出漁し、売り上げは8隻で平等に割る方式。漁場が狭い中で、チームで連携することで効率的な漁ができる。

 さらに、若手の漁師を中心に「富山湾しろえび倶楽部」という組織を作り、休んでいる船を使って間近でシロエビ漁を見学できる観光船を始めた。西本さんは、「漁船に乗りこみ、富山湾から望む立山連峰、昇る朝日の中でのシロエビ漁、セリを見学。その後は、市場などでシロエビ料理を満喫するという企画です。今年も4月26日から実施することを決め、準備を始めています」。

 食卓飾る旬の食材

 春は、市内の寿司店では、シロエビの刺身やこぶ締め、かき揚げなどさまざまな味が楽しめる。

 西本さんは「(コロナが)落ち着いたら、ぜひ東京の皆さんにも地元の味を味わっていただきたいですね」と話している。

迫力の漁を間近で

白エビ漁の様子

 【シロエビ漁観光船】

 日時=4月26日から。午前4時30分集合、5時出港(漁、セリ見学)、7時30分終了。毎週水曜・日曜は運休(土曜日は不定休のため要確認)。完全予約制で、料金は、大人5000円、小中学生3000円。予約は、電話0766・82・7707の午前9時~午後3時(月・火・木・金曜)。詳細は、富山湾しろえび倶楽部http://shiroebiclub.net/へ。

陶芸、漆芸染織、金工の逸品を展示

 【東京から移転、国立工芸館】

 国立工芸館は、日本で唯一の工芸を専門とする美術館。もともとは、東京国立近代美術館分館として、1977年、東京・北の丸公園の旧近衛師団司令部庁舎(重要文化財)を活用して開館。それが、政府関係機関の地方移転政策により、2020年10月に金沢市に移転、「国立工芸館」として新生オープンした。

国立工芸館外観。建物そのものが工芸品だ

 館内には、陶芸、漆芸染織、金工などの分野の名作や逸品を展示。人間国宝の名工たちの技を間近で見ることができる。

 周辺には、金沢城、兼六園、石川県立美術館、金沢21世紀美術館、いしかわ赤レンガミュージアムなど、歴史的建造物や名園、文化施設が集まり、金沢でのアート散歩も楽しい。

旅の記念に匠の技を体感する

 【体験メニューも豊富な春の北陸】

 金箔、漆、和菓子と伝統工芸の盛んな北陸。体験メニューも多く、旅の記念にも楽しい。

 ★和菓子作り 富山県南砺市城端(じょうはな)は、昔ながらの家並みが残る静かな町。老舗和菓子店「田村萬盛堂」では、北陸新幹線の木型を使った「食べられる新幹線」や季節の和菓子などの制作体験ができる。食紅などで色付けされた餡を切ったり、丸めたりして新幹線の木型にはめ、さらに細く切った餡で形を整えていく。また、同店の「木型館」に長年使ってきた和菓子の木型が展示され、縁起物の鯛や花など、芸術性豊かな和菓子の世界に触れることができる。

和菓子作り体験の完成品

 ★金箔貼り体験 石川県金沢市の「カタニ」は、老舗金箔メーカー「カタニ産業」の直営店。金箔貼り体験は、小皿や弁当箱などに型抜きシールで輪郭を描いた上に、極薄の金箔を貼っていく。エアコンの風にも飛んで行ってしまう繊細な金箔をピンセットで扱うのは細心の注意が必要だ。完成品はさすがに華やかなが輝きを放つ。

 ★漆の絵付け体験 福井県鯖江市の「うるしの里会館」は、越前漆器の博物館。古墳時代末期にあたる6世紀にはじまったとされる越前漆器の製造工程や名匠たちの作品を見ることができる。漆の絵付け体験は、現役の越前漆器の職人たちの手ほどきで、小皿などに好きな絵を漆で描いていく。絵が苦手でもデザイン画が用意されているので、できばえには満足できそうだ。

漆の絵付け体験

金沢城の西側で異彩 黒い海鼠漆喰が光る

 【140年ぶりに蘇った鼠多門】

 金沢城の西側に位置する「鼠多門(ねずみたもん)」。江戸時代に、当時の玉泉院丸(現在の玉泉院丸庭園)と、金谷出丸(現在の尾山神社)を結ぶ出入り口として使われていた。

鼠多門(金沢城)

 「鼠多門」は、黒い海鼠漆喰(なまこしっくい)が特徴で、屋根は木型を鉛板で覆う鉛瓦、外壁は白漆喰塗りで腰壁には海鼠壁が用いられている。海鼠壁の目地が黒漆喰で仕上げられていることが城内の他の門には見られない特徴だ。

 創建年代は不明だが、江戸時代初期にはすでに存在しており、1884(明治17)年に火災で焼失。昨年7月に約140年ぶりに蘇った。

 (提供 東日本旅客鉄道株式会社)